2021 Fiscal Year Annual Research Report
患者由来同所性異種移植(PDOX)モデルを用いた神経芽腫難治性メカニズムの解明
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19K18022
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
秦 佳孝 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (90815094)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経芽腫 / PDOX / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度まで患者由来腫瘍細胞を直接、またはNeurosphere形成法によるprimary cultureで得られたsphereを用いてPDOX作成実験を行ったが、いずれも生着には至らなかった。 そこで、当研究室において神経芽腫細胞株のsphere形成における発現解析にて、ヒストン修飾を司るエピゲノム因子であるEZH1の上昇が見られていたことに着目し、神経芽腫CSCの維持に重要な役割を担っていると仮定して、神経芽腫細胞株を用いたEZH1ノックダウン実験を行った。 複数の神経芽腫細胞株においてウエスタンブロット法によりEZH1のタンパク発現を観察したところ、MYCN増幅のある細胞株において優位にその発現が高いことが分かった。そこでMYCN増幅のあるIMR32、NGP、SMS-SANの3種類の神経芽腫細胞株に対して2種類のshRNAを用いたEZH1ノックダウン実験を行ったところ、すべてにおいて腫瘍増生の抑制を認めた。また、EZH1をノックダウンしたNGPとIMR32を免疫不全マウスに移植したところ、腫瘍増生は抑制され、組織のHE染色により核崩壊像(karyorrhexis)を認めた。フローサイトメトリーによる細胞周期解析ではsub-G1割合の増加が見られ、アポトーシスが関与していることが考えられた。EZH1とMYCNの免疫沈降実験により、両者はタンパクレベルで複合体を形成していることが証明された。EZH1ノックダウンにおいて遺伝子発現変化とMYCN結合変化を網羅的に探索したところ、cell cycleに関わる遺伝子群で転写開始点付近のMYCN結合の減少と、mRNA発現量の低下を認めた。これらの知見により、EZH1はMYCNと協調して下流のがん遺伝子の発現を増加させている可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Optimization of surgical timing of congenital diaphragmatic hernia using the quantified flow patterns of patent ductus arteriosus2021
Author(s)
Yoshitaka Shinno, Keita Terui, Mamiko Endo, Takeshi Saito, Mitsuyuki Nakata, Shugo Komatsu, Satoru Oita, Yoshio Katsumata, Yukiko Saeda, Genta Ozeki, Yoshiteru Ohsone, Tomoro Hishiki
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Journal Title
Pediatric Surgery International
Volume: 37
Pages: 197, 203
DOI
Peer Reviewed / Open Access