2020 Fiscal Year Research-status Report
Application of the CUL3-dependent cell growth system to breast cancer therapy
Project/Area Number |
19K18030
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西山 加那子 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (50763348)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳癌 / 分子標的薬 / ホスファターゼ / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
HER2陽性乳癌に対して抗HER2療法は著効し標準治療となっているが、長期治療に伴う薬剤耐性化や限定的な投与期間などの問題が未だ存在している。従って、HER2以外の創薬標的となる細胞増殖制御機構を導出する必要がある。 HER2陽性乳癌細胞の増殖因子リン酸化と細胞増殖を正に制御するユビキチンリガーゼ複合体CUL3/KCTD10の機能を分子レベルで解明するために研究を行なった。R1年度において、CUL3/KCTD10複合体によりユビキチン化を受け、常に分解されているRhoBの結合タンパク質として、Protein Xの同定に成功している。しかし、Protein Xはキナーゼ及び、ホスファターゼ活性を持たない分子であったため、Protein Xに直接結合するキナーゼまたは、ホスファターゼの存在を想定した。そこで、ヒトのprotein kinase、protein phosphataseのタンパク質アレイをコムギ無細胞タンパク質合成系により、整備し、アルファスクリーンを用いて、Protein Xに直接結合するprotein kinase、protein phosphataseを探索した。その結果、Protein Xに結合するprotein phosphataseを15分子同定した。次に、当該15分子のprotein phosphataseのsiRNA libraryを構築し、HER2陽性乳癌細胞において、発現抑制し、増殖因子リン酸化と細胞増殖に機能的なprotein phosphtaseとして、PP-Yを同定した。また、Protein XとPP-Yの直接の結合を検出するアルファスクリーンの系の構築にも成功しており、結合阻害剤探索の準備を完了している。ヒトのHER2陽性乳癌組織におけるProtein Xのタンパク質発現と予後との相関解析を行い、20症例に対して、組織染色を行なった結果、Protein Xの発現が高い方が予後不良であるという結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CUL3/KCTD10/RhoB軸の下流で機能するprotein phosphataseの同定に成功し、制御剤探索用のProtein X/PP-Y相互作用検出系の構築に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
Protein XとPP-Yとの結合を阻害する低分子化合物探索を進める。ヒット化合物に関しては、類縁体ライブラリーを構築して、化合物の最適化を図る。最適化された化合物については、細胞レベルで細胞増殖阻害効果、マウス個体レベルで抗腫瘍効果を評価する。また、HER2陽性乳癌細胞におけるProtein XとPP-Yの分子機能を発現抑制実験と過剰発現実験により解析する。
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Research Products
(1 results)