2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K18034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久世 祥己 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (70837806)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝臓発生 / 血管構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は臓器形成過程を詳細に調べることを目的としている。発生期のなかでも肝臓がダイナミックに変化する胎生初期における肝臓肥大と血管構築の立体的な構築過程を調べている。そのために、マウス胎児のホールマウント染色と3次元画像解析を進めた。また、肝臓の血管構築に関わる大血管の特性を調べるためin vitroにおいて血管新生能を評価した。今年度の成果を以下に示す。 (1) 大血管と胎児肝臓内血管の連結時期とその影響 In vivoにおいて胎生初期の肝臓(肝芽)と連結している静脈洞を単離し、肝芽と共培養を行うと、前年度までに明らかにした肝芽周囲への血管網形成に加えて、肝芽内の肝前駆細胞増殖が誘導されることが明らかとなった。これはin vivoにおける現象とも一致しており、胎生初期の肝臓肥大には静脈洞が重要であることが示唆された。また、上記のような初期肝臓の肥大時期(~E10.5)以降に、臍帯静脈と肝臓内血管は吻合することが3次元画像解析から明らかとなっている。また、肝臓特異的マーカーのホールマウント染色後の解析から、肝臓サイズはE10.5以降に大きく増加することが明らかになった。さらに、別の手法を用いた解析により、肝臓内への血流開始がE10.5付近において起きることを明らかにしている。以上のことから、肝臓内血管と大血管との吻合および大血管から肝臓内への血流開始によって肝臓サイズは増加すると考えられる。 (2) 免疫染色による各種大血管におけるマーカー発現検討 単離した大血管の遺伝子発現解析から抽出した上位の発現変動遺伝子について免疫染色を行い、胎児切片上で各大血管における特異的な発現について検討した。E9.5静脈洞。E10.5臍帯静脈において特異的タンパクの発現が確認できた。
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Research Products
(2 results)