2019 Fiscal Year Research-status Report
神経芽細胞腫の治療後再発予防に対するAcyclic retinoidの研究
Project/Area Number |
19K18053
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石橋 脩一 島根大学, 医学部, 客員研究員 (70834795)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 神経芽細胞 / Acyclic retinoid / in vitro |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、MYCN遺伝子増幅した神経芽細胞腫(NB)に対するAcyclic retinoid(ACR)を用いた再発予防法を開発することである。MYCN遺伝子が増幅しているNBは、化学療法、手術療法、放射線療法および自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法による集学的治療後の再発が大きな問題となっている。現在、13-cis-retinoic acid(13-cis RA)による分化誘導療法が行われているが、十分な効果が得られていない。最近、13-cis RAと同じビタミンAの誘導体であるACRが肝細胞がん(HCC)のMYCN遺伝子発現を抑制することが明らかとなり、HCCの再発予防薬として治験が行われている。また、ACRはがん細胞に対して抗がん効果を有することも報告されている。そこで、MYCN遺伝子が増幅しているNBに対して、ACRの有効性をin vitroおよびin vivoの両面から明らかにする。この研究成果を踏まえて、MYCN遺伝子が増幅しているNBに対する集学的治療後の再発予防薬としてACRを用いた臨床研究を行い、ACRが再発予防薬の標準治療として確立させたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroにおいて神経芽細胞腫cell lineをMYCN増幅細胞とMYCN非増幅細胞を用いて検証。分化誘導療法としてall trans retinoic acid(ATRA)および13-cis RA、ACRを比較検討した。MTTassayおよびRT-PCRでの検証では概ね予測通りの結果となったが、cell cycleをフローサイトメトリーで試みようとしたところ、機械の不具合にて検証ができなかった。また、分化マーカーを用いたWesternblotingもできていないため、やや遅れていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
cell cycleをフローサイトメトリーで施行、また、分化マーカーを用いたWesternblotingを行い、有用性の検証を継続していく。cell lineでの有用性が概ね評価でき次第、マウスへの移行を行う予定。
|
Causes of Carryover |
使用薬剤が予想より少なかったため。次年度に繰り越し、薬剤購入の費用に充てる。
|