2022 Fiscal Year Annual Research Report
Tracer search in image-guided surgery of HER2-positive breast cancer
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19K18058
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大坪 竜太 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (80570043)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | image-guided surgery / 乳癌 / HER2陽性 / 近赤外線 / 蛍光色素 |
Outline of Annual Research Achievements |
HER2陽性乳癌は乳房部分切除の際に癌が露出する断端陽性となる可能性が高く、術中に癌細胞を可視化するイメージガイド下手術の開発が望まれている。また、HER2陽性乳癌の予後は元来不良であるが、Trastuzumab(Tmab)やPertuzumab(Pmab)による分子標的治療薬と化学療法が予後を大きく改善させている。さらに、術前に投与した分子標的薬が我々が開発したTmab・Pmabに蛍光色素を付着させたトレーサーの機能を抑制するマスク効果を生じるという仮説を立て、術前治療を想定したマウス実験を行った。 HER2陽性乳癌細胞株を皮下に植え込んだHER2陽性乳癌マウスモデルに術前治療を想定したTmabとPmabを10日前に投与し、トレーサーであるTmab-IRDye800CW (蛍光色素)とPmab-IRDye800CWを投与し、それから2日から8日後の蛍光強度を測定した。術前治療としてのTmab投与後にTmab-IRDye800CWを投与した群では投与 後2-8日の全ての期間でコントロール群(術前治療としてのTmabを投与していない群)と比較し、蛍光強度が低い傾向が認められたが有意差は認められなかった。また、術前治療としてのPmab後にPmab-IRDye800CWを投与した際にも同様の傾向が認められた。また、HER2受容体とTmab・Pmabが細胞内に取り込まれる細胞内移行が 癌細胞株を用いた実験で認められ、このinternalizationが前述のマスク効果を回避していることが判明した。 癌細胞株で証明された細胞内移行をHER2陽性乳癌マウスモデルで評価しようとするも、オランダ ライデン大学の共同研究者がライデン大学を退職したためトレーサーを作成できず、当学での実験は不可能であった。そのため、これまで行ってきた実験結果で論文を作成し、英文雑誌に投稿中である。
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