2019 Fiscal Year Research-status Report
脂肪由来間葉系幹細胞と肝細胞による積層化シートの作製
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19K18063
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴志野 聖子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20816376)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝細胞移植 / 間葉系幹細胞 / 肝細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、温度応答性培養皿を用いた脂肪由来間葉系幹細胞(Adipose-derived stem cell: ADSC)と肝細胞による積層化シートの開発を行なった。 2019年度に、C57BL/6Jマウスからの肝細胞分離およびADSCの最適な分離法の確立を行なった。肝細胞分離では、消化酵素液の灌流法並びに消化条件の最適化を行ない、ADSCの分離では、採取した皮下脂肪に応じた消化酵素量を最適化することで安定した収量が得られた。 次に、温度応答性培養皿を用いて、肝細胞単独シートとADSCと肝細胞による積層化シートを作製し、肝細胞のViabilityおよびアルブミン産生能を比較した。PI/Calcein-AM染色にて、肝細胞における死細胞と生細胞の比率でViabilityを確認したところ、ADSCと肝細胞の積層化シートでは有意に生細胞が多いことが確認された。また、培養上清中のアルブミン濃度をELISA法にて測定した結果、ADSCと肝細胞の積層化シートにおいて、アルブミン産生能が有意に高いことが確認された。この結果から、肝細胞のin vitro培養では、ADSCとの接着培養が肝細胞のViabilityに有利に作用することが示された。 また、B6マウスに対し四塩化炭素の腹腔内投与を行ない、肝硬変マウスの作製を行なった。肝硬変の評価には、血液検査、HE染色、アザン染色を用いて評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、ADSCと肝細胞の積層化シートの作製およびin vitroでの生存率やViability、アルブミン産生能などの機能評価、肝硬変マウスの作製および肝硬変マウスへのシート移植を行なう予定であった。 上記の内容をおおむね達成しており、研究は順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年には、予定通りADSCと肝細胞の積層化シートをマウスの皮下あるいは肝硬変モデルマウスの肝表面に移植することで、生着の有無や、移植部位での比較およびグラフトの評価を確認する予定である。
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Causes of Carryover |
順調に研究計画が進み、当初計画していたマウスの使用匹数よりも少なく成果を達成することができたため。
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