2019 Fiscal Year Research-status Report
増殖因子受容体経路を標的としたホルモン療法抵抗性乳癌に対する革新的治療薬の開発
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19K18065
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
久田 知可 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30781835)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳癌 / RIN1 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは、これまでに予備実験として行った研究から、RIN1遺伝子の発現低下がER陽性乳癌の予後不良因子であることを発見した。本研究は、癌遺伝子であるRasに関与するRIN1が、ER陽性乳癌において増殖因子受容体をエンドサイトーシスすることで細胞増殖抑制に関与し、ホルモン療法の抵抗性と関与していることを突き止める。それを踏まえて最終的にRIN1を標的とした治療薬を開発することを目的とする。当該年度では、TaqMan RT-PCR システムを用いて、観察期間中央値が約10 年の長期予後を追跡できた症例で、臨床病理学的 データが揃っている約500 例の乳癌症例を対象に、乳癌凍結標本からRNAを抽出し、RIN1遺伝子のmRNA発現と臨床病理学的因子および乳癌治療後の予後との検討を行った。Kaplan-Meireによる解析では、全症例においてRIN1遺伝子の高発現を認めた乳がん症例は、Disease-free survival (DFS)が良好であり、Overall survival においても同様の結果を確認した。さらに、サブ解析として、ER陽性乳癌においても同様の検討を行ったところ、DFSにおいては有意な差を認めないものの、RIN1遺伝子の高発現の症例は、予後良好な傾向を示し、OSは有意な差をもって予後良好であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度には、乳癌組織検体を用いたRIN1遺伝子発現等の解析を行った。しかし、エストロゲン受容体陽性または陰性乳癌細胞株を用いて行うRIN1遺伝子強制発 現およびRIN1遺伝子ノックダウンの化学療法薬の効果への影響に関する検討がまだ十分に施行されていないため、当初の計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、乳癌細胞株に対するRIN1遺伝子強制発現およびRIN1遺伝子ノックダウンによる影響を、RIN1の下流遺伝子発現およびEMT関連遺伝子、 細胞遊走 能・浸潤能、ホルモン療法の効果の焦点を絞って進めていく。また、Xenograftモデルを用いたin vivo研究においてはER陽性乳癌細胞 株に、RIN1遺伝子発現ベクターを導入し、RIN1強制発現株とコントロールの親株をヌードマウスの皮下組織に植え付け、ホルモン療法の効果を比較検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は,癌組織から抽出したDNAやRNAの濃度を確実に測定できるように微量分光光度計の購入、また実験試薬等を実験経過に合わせておこなった結果生じた。計画に則った使用であり、今後の使用計画にも大きな変更はない。
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