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2019 Fiscal Year Research-status Report

消化管間葉系肉腫におけるGPX4阻害剤の有効性とそのメカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 19K18087
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

石田 智  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60804052)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2021-03-31
KeywordsGIST / イマチニブ / 遺残細胞 / GPX4阻害剤 / フェロトーシス
Outline of Annual Research Achievements

切除不能・再発の消化管間葉系肉腫(GIST)に対するイマチニブ治療に置いて治療後のdormancyな遺残細胞の存在が明らかになり、この細胞がイマチニブ治療の中止を困難にし、またそれに続く二次耐性の出現の原因になっていると考えられている。
当科での先行研究において、臨床サンプルを用いた検討においては、イマチニブ投与後、効果の認める状態でGISTを切除し病理学的に検索すると、CR(Pathologically Complete Response)であっても、詳細に検索すれば、アポトーシスを起こし硝子化変性した組織内に、必ず散在性にKIT弱陽性の腫瘍細胞が確認される。則ち、チロシンキナーゼ阻害剤では腫瘍細胞は全滅を起こさず、この生き残った腫瘍細胞が後に再増大・再発の根源になると推測された。
イマチニブによる長期治療で経時的に発生する耐性には、イマチニブ存在下遺残細胞(初期耐性細胞)の関与が報告され、これがイマチニブ存在下に増殖する細胞(イマチニブ耐性細胞)の発生母地になっていると考えられた。そのため、遺残細胞を標的とした治療を行うことで、イマチニブによるGISTの完治、ならびにイマチニブ治療の終了も可能な可能性があるといった着想に至った。本研究の目的は、イマチニブ耐性株を作る過程で収拾し得るイマチニブ治療後の遺残GIST細胞の特性を解明し、遺残細胞を標的とした有効な治療法の開発を行うことである。
本研究においてイマチニブ投与下遺残GIST細胞に対するGPX4阻害剤の効果・メカニズムを検討する。本研究で得られる成果は、奏効中に対する標的治療に繋がり、ひいてはイマチニブ治療の終了や、耐性克服の足掛かりとなると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

イマチニブ投与下遺残GIST細胞に対するGPX4阻害剤の効果・メカニズムに関するin vitroの解析は当初の予定通り進行している。
GIST-T1細胞株に対し2μMのイマチニブ投与後9日目の遺残細胞において細胞内の抗酸化物質であるグルタチオン濃度が親株と比較して有意に低下していることを確認し、先行研究のメタボローム解析とも矛盾のない結果を得た。またCell-titer Glo を用いたCell viability assayにおいて酸化ストレス誘導剤であるGPX4阻害剤に対する感受性を遺残細胞で確認した。また遺残細胞においてGPX4阻害剤で誘導される細胞死に関してフローサイトメトリーを用いて解析を行なった。
GPX4阻害剤で誘導される細胞死においてはROS(活性酸素種)の活性が著しく上昇していること、カスパーゼ阻害剤で阻害されないこと、鉄のキレート剤で阻害されることから、新規の細胞死であるフェロトーシス(Ferroptosis)の関与が示唆された。
遺残細胞においては糖の細胞内への取り込みが低下しており、グルタチオンの還元に関与する補酵素であるNADPHが低下していることもin vitroで確認し、こちらに関しても先行研究のメタボローム解析と矛盾のない結果であった。
現在in vivoにおいてイマチニブ投与後遺残腫瘍におけるGPX4阻害剤の効果を検討中である。

Strategy for Future Research Activity

遺残細胞におけるGPX4阻害剤の効果をin vivoにおいて検討する。
またイマチニブ投与後切除症例の臨床サンプル(切除組織)を用いた免疫染色において、遺残細胞におけるGPX4活性の低下を確認する予定である。
in vitroにおいては遺残細胞における糖代謝の変化に着目し、イマチニブ投与に夜細胞内シグナルの変化と糖代謝変化の関連を検討する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 分子標的治療薬抵抗性消化管間葉系肉腫に対する酸化ストレス誘導を用いた新規治療の検討2019

    • Author(s)
      石田智
    • Organizer
      第72回日本酸化ストレス学会学術集会事務局
  • [Presentation] イマチニブ投与後遺残GIST細胞に対するGPX4阻害剤の有用性の検討2019

    • Author(s)
      石田智
    • Organizer
      第28回日本がん転移学会学術集会・総会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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