2019 Fiscal Year Research-status Report
臨床応用を目指したスクテラリンのGirdin抑制による膵癌抗血管新生効果の検討
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19K18098
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前田 杏梨 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (70825471)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Girdin / スクテラリン / 膵癌 / 遊走能 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は,まず各種膵癌細胞株に対し,Girdinの発現をqRT-PCRで評価した.その結果,すべての膵癌細胞株でGirdinの発現を認め,複数の膵癌細胞株では,正常膵管上皮細胞株(H6c7)よりも発現高値を認めた.タンパクレベルでの発現確認にWestern Blottingを行ったが,手技が安定せずに十分な結果は得られていない.次に,膵癌細胞株に対し,Girdin siRNAをトランスフェクションしGirdinを選択的にノックダウンした.mRNAレベルの発現抑制を確認した(qRT-PCR). まず,Girdinノックダウン株を用いて,Transwell assayにて遊走能を検討したところ,Girdinノックダウン株にてEGF刺激下で遊走能の低下を認めた. 次に,スクテラリンの膵癌細胞株の増殖能に与える影響をCell proliferation assayで検証した(WST-1).その結果,高濃度のスクテラリンにおいても膵癌細胞株の遊走能に影響を及ぼさなかった. スクテラリン100μMで処理した膵癌細胞株を用いたWound healing assayでは,スクテラリン処理群で有意に遊走能が低下した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膵癌におけるGirdinの機能解析に時間を要した.また,WST-1ではスクテラリンのIC50は算出できない,または,非常に高いことがわかり,実際の投与濃度の設定に時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,スクテラリン投与によるGirdinの発現変化をqRT-PCRやWestern Blottingで検討する予定である.既報によれば,スクテラリンの作用はGirdinの発現ではなく,リン酸化を阻害している可能性があり,リン酸化Girdinやその前後のkinaseも含めて検討していく予定である.また,Girdinのノックダウンによる血管新生因子の発現および産生変化を検討し,スクテラリン処理による変化もあわせて検証していく.
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Causes of Carryover |
Girdinの機能解析にあてた時間が多く,経費を多く要する実験まで至っていないのが理由である.今年度は,ELISAやWestern Blottingを多く行うことを予定しており,相応に費用がかかる見込みであるため,前年度の残額の繰越しが必要である.
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Research Products
(4 results)