2019 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌肝転移における癌関連線維芽細胞出現メカニズムの解明
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19K18103
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
門野 政義 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60837681)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝線維化 / 肝転移モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度はまず研究実施計画の第一段階である肝線維化モデルマウスの作成について取り組んだ。いくつかの文献を参照し、四塩化炭素の腹腔内投与により行い、週2回4週間投与、6週間投与、8週間投与をそれぞれ行ったのちにマウスを解剖し、肝のHE染色、αSMA免疫染色による正常肝との比較、肝線維化マーカーの遺伝子発現の比較を行った。これにより6週投与で線維化がみられることを確認した。 続いてヌードマウスに対するヒト大腸癌細胞株の肝転移モデル作成に取り組んだ。使用する大腸癌細胞株の選定のため、当研究室で所有する大腸癌細胞株のLgr5発現について検討し、Lgr5発現頻度の異なる3種類の大腸癌細胞株WiDr、Lovo、HCT116を使用することとした。当初は脾臓への注射による肝転移モデル作成を試みたが、定着率の悪さや手技上の問題による腹膜播種の発生などいくつかの問題点が指摘され、門脈への注射による肝転移モデル作成に移行した。こちらについても手技の確立に伴い、投与後6~8週間での肝転移成立を確認した。ルシフェラーゼ導入細胞株の門脈注射による生体内での転移の観察も可能となることを確認した。 現在、肝線維化モデルマウスに対する門脈注射による肝転移を行っており、Lgr5の発現の異なる細胞株で線維化による転移の起こりやすさが異なるかなどを確認し、肝線維化による肝転移の起こりやすさのメカニズムの解明に取り組むことを考えている。 並行して多光子顕微鏡による生体内での観察についても現在画策しております。こちらについては研究環境の確立ができ次第すぐに取り組む予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初行う予定であった多光子顕微鏡による生体内での観察を行うにあたって、研究環境の確立に難渋しており、別の方法での生体内での観察や転移に関する評価を行って研究を進めているため。 こちらについては現在調整中であり、多光子顕微鏡の使用が可能となり次第速やかに開始する予定としている。 この段階に至るまでのモデルマウス作成については順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で述べたような研究環境の確立や多光子顕微鏡に代わる生体内観察の手法を模索しながら進めていく予定としている。
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