2021 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患の新たなin vitro病態モデルの確立
Project/Area Number |
19K18106
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
鶴田 覚 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 再生医療センター, リサーチアソシエイト (50814365)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オルガノイド / iPS細胞 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患の病因として遺伝的要因や環境因子、免疫学的要因が挙げられ、更に炎症細胞や炎症性サイトカインなどの制御因子、上皮バリア機構の破綻などの関与も言われている。これらの多彩な病態を解明し、診断や新たな治療薬の開発を可能にする基礎研究の大きな進展が望まれている。腸炎の実験モデルとして古くからDextran Sulfate Sodium(DSS)を経口投与したマウスなどが用いられてきたが、動物種の違いのみならずその発生機序の再現性に限界がある。本研究では、in vitro で腸の発生が再現でき、免疫機能も含めた生体の腸管が持つ複雑な機能を併せ持つモデルを開発する。それにより腸管発生および再生における免疫担当細胞とのインタラクションの理解とともに行う疾患研究が可能となり、さらに超早期発症のIBDの診断・治療開発へと展開できる。今年度は、ヒトiPS細胞から分化誘導する腸管オルガノイド(ミニ腸)を基盤に、マクロファージを内在化する開発を行った。iPS細胞から誘導する単球細胞系には可視化マーカーを導入し、マクロファージ内在が可視化可能となった。粘膜上皮組織のバリア性を確認後(ZO-1とE-cadherinの共陽性の粘膜上皮組織)、組織マクロファージのマーカーであるRUNX1とHES1の遺伝子発現上昇を認めた。ミニ腸組織内へ内在化したマクロファージの画像解析では、細胞が分枝状に伸びた細胞形態を認めた。今年度は、これまで報告のない腸管オルガノイドモデルの免疫機能性内在化を実現するための重要な基盤成果が達成できた。
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