2020 Fiscal Year Research-status Report
肝内胆管癌のエピジェネティクス解析による新規バイオマーカーと治療標的分子の探索
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19K18121
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 一博 岡山大学, 大学病院, 助教 (60824761)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝内胆管癌 / DNAメチル化 / 遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は肝内胆管癌のエピジェネティクス解析による新規バイオマーカーの探索と分子標的治療の創造である。肝内胆管癌の発癌・進展に関与する候補遺伝子をバイオインフォマティクスアプローチにより絞り込み、肝内胆管癌の切除検体および細胞株を用いてその臨床的意義と機能について検証を行う。 2020年度では、肝内胆管癌の発癌・進展に関わる7つの候補遺伝子の遺伝子発現に対するIn silicoでの解析を基にプライマーの設計を行い、プライマーの妥当性、再現性について検証中である。Cell lineより抽出したRNAにおいては、PCR産物の長さが短いものを(50bp~70bp)得られるよう工夫をしたプライマーを用いて、特異的な遺伝子産物を同定することは可能であったため、RNAが比較的細かく断片化されたFFPEを用いた遺伝子発現解析でも再現可能であるのか否かを検証中である。 また、それら7つの候補遺伝子の遺伝子発現制御機構として着目しているDNAメチル化についても検証した。DNMIVD (DNA Methylation Interactive Visualization Database)を用いて、遺伝子発現に関わるDNAメチル化領域を同定した。DNMIVDはTCGAより得られたデータを基に解析が行われている。遺伝子プロモーター領域で有意に発現調節を受けているのは、MELTF(Spearman順位相関係数 -043)、NR5A2(Spearman順位相関係数 -0.34)であり、より適切なプロモーター領域内のCpG siteを選定し、メチル化解析用のプライマー設計を行う。 さらに、大規模データを用いたDNAメチル解析では、解析対象から除外されるX染色体のメチル化にも着目し、その中でも腫瘍免疫環境に係るFoxp3の発現とメチル化に関する解析を平行し行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再現性のある遺伝子発現解析、DNAメチル化解析を行うためプライマー設計に時間を要し当初予定していた研究の進捗状況と比較しやや遅れているものと思われる。細胞株を用いたプライマーの条件設定は完了しているため、FFPEを用いた発現解析、エピジェネティック解析を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
7つの候補遺伝子の遺伝子発現および遺伝子promoter領域、Gene bodyのDNAメチル化解析を行う。また、back up planとして、当科で切除された肝内胆管癌の内、早期癌と進行癌の検体を用いて、DNA メチル化アレイおよび遺伝子発現microarrayを行い、遺伝子発現調節機能をもつDNAメチル化の解析を進める。
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Causes of Carryover |
今年度においては研究の進捗状況および世界情勢から海外学会での発表が困難な状況であり、海外学会での発表のため計上した旅費などを使用することがなかった。また、論文などの誌上発表もないため、投稿にかかる経費なども使用することがなかった。試薬については廉価で購入することが可能なものが多かったため、当初の想定よりも使用額が少なくなっている。 今年度は、学会参加、論文発表については積極的に行う予定であり、また、研究そのものについても遺伝子発現解析やメチル化解析、細胞株を用いた機能解析のためにより多くの試薬の購入が予定している。
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Research Products
(1 results)