2019 Fiscal Year Research-status Report
novel therapeutic strategy for liver cancer in reference to the correlation of sarcopenia with Apelin-APJ system
Project/Area Number |
19K18122
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本村 貴志 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50719507)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Apelin / サルコペニア / 肝癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
60例の肝癌(肝内胆管癌切除例、2000年3月-2017年10月、九州大学消化器総合外科)摘出標本から得られたパラフィン包埋切片を用いて血管新生やApelinを染色し、臨床データから得られたサルコペニアとの関連を検討した。 非癌部の血管組織でApelinと血管内皮面積(CD34)を比較したところ、Apelin高発現群(n=29)で血管内皮面積も大きいことが証明された(p=0.03)。Apelin高発現群(n=29)と低発現群(n=31)では、高発現群で年齢が若い傾向にあり(62歳vs67歳、p=0.07)、腫瘍マーカー(CEA)が有意に低く(3.19vs7.11. p=0.04)、腫瘍の局在が肝門部よりも末梢領域に多かった(93%vs70%, p=0.01)が、全生存(58% vs 51%,p=0.62)や無再発生存(49% vs 38%, p=0.19)など、長期生存に差はなかった。 次に癌部におけるApelinの発現を免疫組織化学染色で同様に検討し臨床背景との関係を比較したが、年齢や性別、BMI、血液検査所見、腫瘍マーカー、腫瘍因子(腫瘍径や浸潤の有無など)などいずれも差は認めなかった。次に歩行速度や握力、CTでの骨格筋面積測定からサルコペニアの有無を検討し腫瘍内Apelinの発現の過多を検討したところ、サルコペニア群(n=12)で有意に腫瘍内Apelinの発現が低かった(p=0.008)。 高齢者においてApelin発現が低いことはNat Med 2018の既報に合致するで、さらにサルコペニア群でApelin発現が低いことも確認できた。肝癌におけるサルコペニアとApelinの発現の関係は新たな知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝内胆管癌においてこれまでなかったApelinとサルコペニアの関係が判明できた。臨床検体やデータを用いた手法はこれで確立されたので、今後は肝細胞癌でも同様のことが可能でさらに症例を増やしていくことが可能である。またApelinをノックアウトしたモデルでサルコペニアと肝癌予後の関係を見ていく予定であるが、コロナウイルス感染拡大に伴う研究、特に動物施設の状況が障壁ではある。
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Strategy for Future Research Activity |
手術標本から得られた臨床組織を、肝細胞癌にも広げて同様に検討していく。また組織免疫化学染色によるタンパク発現のみならず、摘出標本から抽出したRNAを用いてもApelinの発現を検討していく。サルコペニアモデルマウス(PGC1α導入マウス)に肝癌細胞株で皮下腫瘍モデルを作成し、Apelinの腹腔内投与を28日間行い、既報通りサルコペニアの改善が見られるのか検討する一方、皮下腫瘍の増大はないか確認する。これによりこれまでのなかったApelin-サルコペニア-肝癌という関連性が明らかになる。
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