2020 Fiscal Year Research-status Report
膵癌におけるクラスリンアダプターの発現解析と新規治療法の開発
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19K18126
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
武藤 亮 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10791478)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵癌 / クラスリンアダプター / siRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】細胞内のタンパク質や脂質の輸送に関わるクラスリンアダプター分子の発現制御が一部の癌種において抗腫瘍効果を示すことが報告されている。クラスリンアダプター分子はsiRNAによる発現制御が可能であるが、siRNAは生体内において容易に分解されその効果を得るのは難しい。そこで優れた遺伝子導入効率を有する新しいDrugDeliverySystemとしてス-パーアパタイトナノ粒子法に注目した。本研究では、膵癌におけるクラスリンアダプター分子の機能解析とsiRNAおよびスーパーアパタイトナノ粒子法を用いた膵癌担癌マウスへの抗腫瘍効果の解明を目的としている。 【研究実施計画】本研究は以下に示すステップで進める予定である。①:膵癌切除標本および膵癌細胞株を用いて膵癌におけるクラスリンアダプター分子群の発現解析を行い、臨床病理学的因子およびEGFRを含む関連分子との関連解析を行う。②:膵癌細胞株において、クラスリンアダプターの発現抑制によって得られるin vitroでの増殖抑制効果を解析する。③:膵癌細胞株をマウスに移植し、in vivoでのsiRNAとスーパーアパタイトナノ粒子法による抗腫瘍効果の解析を行う。 【結果】2020年度は、膵癌切除症例20例について、クラスリンアダプター関連分子であるAP-1の免疫染色を行い、臨床病理学的因子との関連解析を行った。AP-1高発現群は20例中12例、AP-1低発現群は20例中8例であった。AP-1高発現群12例中7例(58%)、AP-1低発現群8例中2例(25%)にリンパ節転移を認め、AP-1の発現性とリンパ節転移の関連が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
申請者が他の研究に従事しており、本研究の開始が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やして膵癌に対する免疫染色を行い、クラスリンアダプター関連分子と臨床病理学的因子の関連を明らかにする。また、膵癌細胞株を用いたAP-1の発現抑制による抗腫瘍効果の解析も行う。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅延により次年度使用額が生じた。繰り越した助成金は引き続き研究の実施に使用する予定である。具体的には細胞株、siRNA試薬などの購入に使用する。
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