2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of the new biomarker in the early diagnosis of bacterial infection after gastroenterological surgery
Project/Area Number |
19K18134
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
今井 義朗 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60734415)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プレセプシン / 胃癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃癌手術は、NCDデータで合併症が幽門側胃切除術14.2%、胃全摘21.5%と起こる事が知られている。敗血症の新規バイオマーカーとしてプレセプシン(PSEP)が注目されている。細菌性合併症におけるPSEPの有用性の報告は少ない。胃癌術後のPSEP値と感染性合併症の関連性を検討する。術前、術後1、3、5、7日目に白血球、好中球数、CRP値に加えて、PSEP値を測定し細菌性合併症との関連性を検討した。当該年度に施行した胃癌108例。年齢71.5、男/女:75/33、腹腔鏡/ロボット/開腹:75/16/17。CD分類II以上の合併症は縫合不全7例、膵液漏3例、腹腔内膿瘍4例、胆嚢炎1例、肺炎2例、尿路感染1例。合併症の有無でPSEP値を比較したところ、術前(161 vs 157, p=0.45)は有意差なく、術後1、3、5、7日目は(263 vs 180, p=0.002)、(360 vs 169, p=<0.0001)、(450 vs 159, p=<0.0001)、(4380 vs 165, p=0.025)と有意差が認められた。術後1、3、5、7日目のPSEP、CRP、白血球、好中球のAUC値は(0.73,0.65,0.63,0.62)、(0.89,0.86,0.71,0.7)、(0.86,0.86,0.71,.072)、(0.77,0.64,0.66,0.64)であり、いずれもPSEPのAUC値が高値であった。またPSEPの術後3日目のcut off値は293で感度83%、特異度83%、5日目は278で感度83%、特異度82%と感度特異度ともに80%以上と精度が高かった。また術後3日目のCRP、白血球、好中球の特異度は67%、57%、63%、5日目は77%、51%、62%であり、特異度がPSEPで特に高く、胃癌術後の周術期感染症マーカーとして有用であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胃癌、食道癌術後の検体の採取は当初予定通り行うことができた。症例数も当初予定していた通りであった。 胃癌に関しては、測定ならびに解析も行い、胃癌術後の細菌性合併症とプレセプシンの関係をまとめて報告済であり、現在論文投稿中の現状である。 食道癌に関しては、測定ならびに解析まで行ったが、まだ報告はできていない。今後報告予定にしている。 同時に胃癌、食道癌術後のキマーゼも測定する方針にしている。キマーゼ様のsampleは採取しており、血漿を冷凍保存しているが、まだ測定ならびに解析はできていないため、今後予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、食道癌術後もまとめて報告していく。 また胃癌、食道癌術後のキマーゼの同定ならびに合併症との関連を検討すべく、測定ならびに解析を行う方針である。 sampleは採取できているため、今後は解析作業を中心にしていく。
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Causes of Carryover |
胃癌、食道癌術後の周術期のプレセプシンの値は測定できたが、キマーゼの測定が完了できていないため、科研費を次年度に使用することとした。また、プレセプシンの論文投稿も現在査読中であり、投稿料、英文構成費など含め次年度に使用することにした。 すなわち次年度は、胃癌、食道癌術後のキマーゼを測定するのと論文の投稿料、英文校正費に科研費を使用する予定である。
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