2021 Fiscal Year Research-status Report
臨床応用を目指した膵癌におけるエスシンのNF-κBを介した抗腫瘍効果の解明
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19K18157
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大見 関 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60825488)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / 抗腫瘍効果 / エスシン / NF-κB / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は今までに、膵癌の転移や血管新生に転写因子NF-κBが重要な役割を果たしていることを報告してきた。転移能の高い膵癌細胞株はNF-κBの活性が高く、その下流の血管新生因子VEGF やIL-8の産生を増加することにより腫瘍血管新生を亢進していた。これらより、NF-κBは新規分子標的薬剤のターゲットになると考えられるが、既存のNF-κB阻害薬は副作用が強く、長期使用が困難で臨床応用に至っていない。今回、様々な癌種で抗腫瘍効果が報告されているエスシンに着目した。エスシンは西洋トチノキの種子由来のサポニンでnatural productの1つである。近年、様々な癌種で細胞増殖およびNF-κBのシグナル抑制を介した抗瘍効果が報告されるようになったが、膵癌血管新生におけるエスシンの効果は解明されていない。昨年までにエスシンが膵癌のNF-κB活性を低下させ、血管新生能を抑制するかを検討した。複数の膵癌細胞株においてエスシンが濃度依存的に細胞増殖を抑制することをWST-1assayにて確認した。RT-PCRを用いてTNF-αで誘導されたIL-8およびVEGFのmRNAの発現がエスシンによって低下することを解明した。次いで、ELISAでIL-8とVEGFの産生がエスシンの投与によって減少することを確認した。免疫染色でエスシンによりNF-κBの核内移行が抑制されることを確認した。同様に、NF-κBELISAを用いて、エスシン投与によるNF-κB活性の低下を定量的に確認した。今回、前年度までのデータの再現性を確認し、改めてNF-κBの局在と活性の変化について細胞内、細胞質各々でwestern blottingで確認しつつ、on matrigelで不死化内皮細胞を用いてエスシンの膵癌細胞の管腔形成能に対する抑制効果について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験を実施するに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験を実施することを計画していきたい。
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Causes of Carryover |
データは徐々に集まってきているが、物品の供給が不安定で実験が十分に進まなかった。次年度も継続して各種実験を行うことと動物実験を計画していくために繰り越しが必要であると判断した。
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Research Products
(1 results)