2019 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌のFTDに対するDNA損傷応答の解明と治療効果増強への展開
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19K18158
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
廣川 高久 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40592499)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | G2/M期チェックポイント阻害剤 / TFTD / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
TFTDにG2/M期チェックポイント阻害剤を併用することにより、その治療効果が増強されるかを、大腸癌細胞株を用いて解析した。 cell lineにはp53変異株である大腸癌細胞株(HT29)を使用した。TFTDにG2/M期チェックポイント阻害剤を併用し、培養した細胞をWST-1 assay、Western blot法およびフローサイトメトリーにより解析した。大腸癌細胞株は、TFTD単独、G2/M期チェックポイント阻害剤単独、TFTD+ G2/M期チェックポイント阻害剤で培養を行い、それぞれ開始時、24時間後、48時間後、72時間後の解析を行った。 フローサイトメトリーにおいて、TFTD単独ではG2期への蓄積を認め、G2/M期チェックポイント阻害剤単独ではコントロール群と同等であった。TFTD+ G2/M期チェックポイント阻害剤ではG2期の蓄積が解除されており、DNA修復がなされないままにM期への進行していることが示唆された。実際、G2/M期チェックポイント阻害剤を併用することで細胞増殖の低下を認め細胞死へ導くことができた。 G2/M期チェックポイント阻害剤を用いることにより、TFTDの効果が増強される可能性が示唆された。TFTDにおいては、作用機序が明らかになっていない点もあり、今後さらなる研究が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸癌株に対してG2/M期チェックポイント阻害剤を併用することでTFTDの治療増強効果を示すことができた。細胞のみならず今後生体でも同様なことが示されるかの実験が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のごとこ細胞レベルでのTFTDによる治療効果をG2/M期チェックポイント阻害剤を併用することで増強させることができた。 この治療効果は細胞を死に導いているかもしくは増殖を抑制しているか評価を今後行なっていく。 また、細胞のみならず生体内でも、抗腫瘍効果を評価する必要がある。マウスに腫瘍を移植し、G2/M期チェックポイント阻害剤の併用の有無で治療効果に有意な差があるかどうかの検討を行なっていく。
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Causes of Carryover |
今年度に使用した試薬のコスト削減が可能であった。 しかし、次年度では動物実験が加わるため、昨年度の使用経験から想定以上に試薬を多量に使う予定であり、昨年度の残額の繰り越しが必要である。
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