2021 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌のFTDに対するDNA損傷応答の解明と治療効果増強への展開
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19K18158
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
廣川 高久 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40592499)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | G2/Mチェックポイント阻害剤 / AZD6738 / 5-FU / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
G2/Mチェックポイント阻害剤としてATR阻害剤であるAZD6738を用いて実験を行った。大腸癌細胞株に対して、大腸癌治療のkey drugである5-FUの治療効果上乗せ効果を評価した。細胞増殖実験において5-FU単剤よりAZD6738併用群の方が優位に細胞増殖が抑制(治療効果増強)された。さらに、in vivoでの評価として皮下移植のマウスモデルでの評価を行った。こちらでも、AZD6738併用群で優位に腫瘍量の低下が認められた。これらの結果から、AZD6738の大腸癌に対する5-FUでの治療増強効果が得られる可能性が示唆された。本研究結果を論文化し、2022年1月27日にacceptされた(Suzuki T, Hirokawa T et al ATR inhibitor AZD6738 increases the sensitivity of colorectal cancer cells to 5-fluorouracil by inhibiting repair of DNA damage, Oncol Rep. 2022 Apr;47(4):78. ). 大腸癌株に対するAZD6738の治療増強効果の既報はなく、本報告が初めてのものとなった。当研究を基礎実感として、大腸癌診療で後方ラインに使用されるFTDにおける治療増強効果を評価していく。さらに、治療抵抗性に対するAZD6738の有用性も評価していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回大腸癌に対する5-FUの治療増強作用が認められ、論文化することができた。本研究をもとにFTDに対する治療増強効果の予測がたち、スムーズに今後の研究につなげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回行った5-FUをFTDに置き換えてAZD6738で治療増強効果が得られるかの評価を行っていく。さらに、AZD6738のターゲット蛋白を追求し、その作用機序を解明していく。それを通して、さらに効率よく治療効果が得られる方法を探求していく。
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Causes of Carryover |
調達方法、使用方法を工夫し、また使用薬剤が想定より少なく済んだため。
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