2020 Fiscal Year Research-status Report
腸管神経叢内在ミニ腸を応用したヒルシュスプルング病類縁の病態解析
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19K18167
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
内田 孟 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 外科系専門診療部, 医師 (30648697)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヒルシュスプルング病類縁 / オルガノイド / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管発生とともにヒト腸管神経叢の成り立ちを再現できる系を構築し腸管神経細胞の発生および機能不全を明らかにしていく。ヒルシュスプルング病類縁疾患(H類縁)を例にとり、疾患iPS細胞を作製しH類縁-ミニ腸疾患モデルを構築する。H類縁は直腸に神経節細胞が存在するにもかかわらずヒルシュスプルング病に類似した症状を呈する疾患で腸管神経の病理所見での分類と診断・治療方針が提唱されている。しかし、腸管神経細胞の数および機能の不全状態がなぜ引き起こされるか不明のままである。申請者は、試験管内で腸管神経細胞を有し蠕動様運動、吸収や分泌能などのヒト腸管の機能を有する腸管オルガノイド(ミニ腸)の創生に世界で初めて成功した。胎児期~乳幼児期の腸管発生を試験管内で再現することが出来る系であり、この培養システムを活用し腸管神経叢の生成と機能不全を明らかにしていく。これまで、試験管内での腸管神経叢発生分化を可視化できるように、神経堤細胞の初期マーカーであるPHO2B-tomatoのベクターを搭載したiPS細胞の樹立に成功した。ミニ腸分化誘導過程において、分化誘導開始から7日目ですでにPAX3, ZIC1やSOX10の神経堤細胞初期マーカーが発現し、14日目まで発現が認められた。今後は、臨床組織病態(腸管神経節細胞の有無)が明らかな試料からの樹立と、一方でRET遺伝子などの疾患関連遺伝子のゲノム編集による機能低下モデルの作製も検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経堤細胞の初期マーカー遺伝子の発現動態を試験管内モデル(ミニ腸)で評価できることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
疾患機序がいまだ不明なH類縁疾患において、試験管内で神経堤細胞、ヒト腸管神経の成熟を追跡する系の構築は、臨床的にも極めて重要性が高い。腸管神経の分化過程をより詳細に解析していく。
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Causes of Carryover |
(理由)試薬の納品が遅れたため。 (使用計画)試薬の購入に使用する。
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Research Products
(1 results)