2022 Fiscal Year Annual Research Report
腸管神経叢内在ミニ腸を応用したヒルシュスプルング病類縁の病態解析
Project/Area Number |
19K18167
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
内田 孟 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児外科系専門診療部, 医師 (30648697)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヒルシュスプルング病類縁 / オルガノイド / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管発生とともにヒト腸管神経叢の成り立ちを再現できる系を構築し腸管神経細胞の発生および機能不全を明らかにしていく。ヒルシュスプルング病類縁疾患(H類縁)を例にとり、疾患iPS細胞を作製しH類縁-ミニ腸疾患モデルを構築する。H類縁は直腸に神経節細胞が存在するにもかかわらずヒルシュスプルング病に類似した症状を呈する疾患で腸管神経の病理所見での分類と診断・治療方針が提唱されている。しかし、腸管神経細胞の数および機能の不全状態がなぜ引き起こされるか不明のままである。申請者は、試験管内で腸管神経細胞を有し蠕動様運動、吸収や分泌能などのヒト腸管の機能を有する腸管オルガノイド(ミニ腸)の 創生に世界で初めて成功した。ミニ腸が蠕動運動関連物質(ヒスタミンと硫酸アトロピン)にそれぞれ反応することを確認している。さらに、緩やかな蠕動運動を可及的に評価するため、蠕動運動可能なミニ腸を選別する方法としてヒスタミン添加による動画評価が適応される(ミニ腸-ヒスタミンチャレンジテスト)ことを見出した。これらを基盤技術とするが、はたしてヒスタミンがH類縁の蠕動評価に適切かどうかは大きな問題である。そのため、腸管神経叢の機能性とリンクした分子を抽出するとともに、これを化合物スクリーニング系としてH類縁-ミニ腸の蠕動運動を賦活化する化合物を探索していく。ミニ腸分化誘導過程において、分化誘導開始から7日目ですでにPAX3, ZIC1やSOX10の神経堤細胞初期マーカーが発現し、14日目まで発現が認められた。今後は、臨床組織病態(腸管神経節細胞の有無)が明らかな試料からの樹立と、一方でRET遺伝子などの疾患関連遺伝子のゲノム編集による機能低下モデルの作製も検討していく。
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Research Products
(5 results)