2020 Fiscal Year Annual Research Report
先天性心疾患合併重症心不全に対する自家骨格筋由来筋芽細胞シートの有効性評価
Project/Area Number |
19K18177
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 幹太 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90768144)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 圧負荷右心不全 / 自家骨格筋由来筋芽細胞シート / 血管新生 / 心筋再生療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性心疾患に対する近年の治療成績の向上により、成人期に達する先天性心疾患患者数は増加の一途をたどっている。そんな中、日常のQOLを低下させる要因となる心不全を合併する患者数も全体の約1/3を占め、今後さらなる高齢化に伴い後天性心疾患の合併などが加わることによる心不全合併患者数の増加が懸念されている。自家骨格筋由来筋芽細胞シート治療が今後さらに増加する先天性心疾患を有する重症心不全患者の治療選択肢となることを目指して、圧負荷右心不全ブタモデルにおける自家骨格筋由来筋芽細胞シート治療の有効性を機能的、および組織病理学的に検証を行った。 ミニブタに肺動脈絞扼術を行う事で、圧負荷右心不全ブタモデルを作成し、肺動脈絞扼2ヶ月後に自家骨格筋由来筋芽細胞シート治療を行い、その2ヶ月後まで経過を観察し組織学的検査の為に犠死させた。その結果、シート治療前の肺動脈絞扼2ヶ月後には肺動脈絞扼前に比べ有意に右室機能の増悪を認め、シート治療2ヶ月後には無治療群と比較してシート治療群において、心筋酸化代謝能の向上を認め、有意な右室機能不全の進行抑制を認めた。さらに、組織学的にも明らかな心筋細胞の肥大抑制作用、血管新生作用、抗線維化作用を認めた。
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