2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of warfarin-free mechanical heart valve using DLC coating
Project/Area Number |
19K18184
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
衛藤 弘城 岡山大学, 大学病院, 助教 (70637157)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | Diamond-like Carbon / 人工弁 / 血液適合性 / 拍動流 / ゼータ電位 / 官能基 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、血液適合性が高いと言われている、Diamond-like Carbon(DLC)を人工弁の骨格、弁尖部分にコーティングする技術を開発し、人工弁へのコーティングを可能とした。 DLCの血液適合性について、血小板付着試験、タンパク吸着試験、各種In-Vitro、In-vivoでの全血接触試験の結果、DLCの血液適合性は、人工血管に使用されるePTFEとほぼ同等レベルであることが示唆された。これは、血管内植え込みデバイスに使用される素材のなかでは最高レベルの血液適合性であることを示唆している。動脈血流下でも、静脈血流下でも、ほぼ同等の血液適合性があるものと思われた。しかし、ePTFEの血液適合性も完全なものではないと思われ、さらなる血液適合性の向上を目指すためには、DLCの血液適合性事態も改善の余地があると考えられた。酸素付加DLC、アンモニア付加DLCはむしろ血栓形成性が増加する傾向にあり、本研究の目的とする用途には適さないことが判明した。親水性は向上し、それは通常血液適合性の向上を意味するが、表面ゼータ電位の極性がニュートラルから外れると、血液適合性は悪化することがが示唆されている。よって、親水性を向上しながら、ゼータ電位をニュートラルに戻す方向で両極性の官能基をバランス良く付加する技術開発を行う方針となった。理論上は、親水性を向上し、かつゼータ電位をニュートラルに保つことができれば、血液適合性はさらに向上するのではないかと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナで研究活動に制限がかかる時期があった。物流に影響が出る時期もあった。
|
Strategy for Future Research Activity |
水テストで、装置の操作に習熟し、基本圧データを得る。もし開発業者が見つかれば、血管コンプライアンスをゴム部分の素材の改善を試みたい。血液適合性試験は引き続き実施する。
|
Causes of Carryover |
コロナによる研究制限で、研究開発全体が遅れている。R4年度は、R3年度執行できなかった研究を施行する予定である。
|