2022 Fiscal Year Annual Research Report
ブタモデルにおけるビタミンB2ワンショット肺マーキング法の確立
Project/Area Number |
19K18206
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
齋藤 大輔 金沢大学, 附属病院, 助教 (50722055)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ビタミン / マーキング |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】今回、簡便な手技でより安全な肺マーキング法の確立を目指し、体表から肺臓側胸膜下に自家蛍光物質であるビタミンB2水溶液を注入し、ブラックライトを励起光として可視化する新たな肺マーキング法を考案した。ヒト臨床へ応用するために、豚モデルを用いた動物実験によって本法が既存の針マーキング法の代替法となり得るか評価した。 【対象と方法】豚モデルを用いて経皮的な肺針マーキング法を施行し、同時に針マーキング部の肺臓側胸膜下肺実質にビタミンB2水溶液1mlを注入した。開胸後にビタミンB2マーキング部にブラックライトを照射して可視化した。ビタミンB2マーキング部の長径と蛍光輝度を測定し、ビタミンB2と針の両マーキング部の一致性を評価した。 【結果】成豚5頭で肺マーキングを行い、臓側胸膜下のビタミンB2マーキングは、全例でブラックライト照射を用いた肉眼での観察が可能であった。血胸や空気塞栓症などの重篤な合併症はなかった。ビタミンB2マーキング部と針マーキング部は、全例で一致していた。ビタミンB2マーキング部の長径は、1.3±0.3cm(0分)、1.2±0.3cm(60分)、1.1±0.3cm(120分)で、開胸直後から120分以上は長径の変化はなかった(p=0.21)。また蛍光輝度は,マーキング部で162.8±55.1(0分)、157.2±63.1(60分)、165.2±62.2(120分)、非マーキング部で34.4±26.1(0分)、22.6±21.6(60分)、30.6±22.1(120分)であり、いずれもマーキング部のほうが有意に高輝度であった(p=0.01/0.01/0.01,0分/60分/120分)。 【結語】ブラックライト照射を用いたビタミンB2肺マーキング法は、手技が比較的簡便であり、既存の針マーキング法の代替法として、ヒトへの応用を期待できる。
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