2019 Fiscal Year Research-status Report
新たな亜型分類に基く肺高悪性度神経内分泌癌の新規予後マーカー探索と個別化治療確立
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19K18213
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神保 直江 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (00773772)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺高悪性度神経内分泌癌 / 小細胞癌 / 大細胞神経内分泌癌 / LCNEC |
Outline of Annual Research Achievements |
小細胞癌、大細胞神経内分泌癌(LCNEC)を含む肺高悪性度神経内分泌癌の手術症例のホルマリン固定パラフィン包埋組織ブロックを確保するとともに、予後や臨床病理学的特徴の調査を行った。 小型(30mm以下)の大細胞神経内分泌癌(LCNEC)は、3つの神経内分泌マーカー(synaptophysin, chromogranin A, CD56)の発現パターンによって、3個全ての神経内分泌マーカーが陽性となる群と、1~2個の神経内分泌マーカーが陽性となる群に分けることができ、前者は後者に比べて有意に予後不良で、リンパ節転移の頻度も高く、小細胞癌と類似する臨床病理学的特徴を示すことが確認された。 また、腫瘍部・正常部を含むようにして、通常の組織アレイと比べてより広範囲をカバーできる組織アレイ(スパイラルアレイ)を作成し、3つの神経内分泌マーカー(synaptophysin, chromogranin A, CD56)と新規神経内分泌マーカーであるINSM-1について免疫染色を行った。synaptophysin, chromogranin A, CD56, INSM-1とも陽性群は陰性群に比べて予後不良であったが、synaptophysinの無再発生存期間とINSM-1の全生存期間、無再発生存期間については陽性群が陰性群に対して有意に予後不良であった。さらに、多変量解析では、INSM-1陽性が最も強い予後不良因子であるということが確認された。このことから、INSM-1は、肺高悪性度神経内分泌癌において、神経内分泌マーカーとしてのみならず、予後に強い影響を与える因子であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
産休・育休取得に伴い研究が中断し、亜型分類や亜型分類に基く新規マーカー検索には至ってないが、Discovery study前半までは順調にすすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績概要に記した結果のとおり、小細胞癌と大細胞神経内分泌癌(LCNEC)は完全に別個でなく、病理学的、臨床的、遺伝子学的に重なりがあることが示された。また、亜型分類や亜型分類に基く新規マーカー検索には至っていないが、新規神経内分泌マーカーであるINSM-1が肺高悪性度神経内分泌癌全体の強い予後因子であることが確認された。今後は、亜型分類の必要性について更に確認をすすめていくとともに、亜型分類に基く新規マーカーの検索を中心に研究をすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
令和元年年11月より産休及び育休取得により研究を一時中断することとなった。そのため当該年度の支出額が減少し、次年度使用額が生じる結果となった。
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[Journal Article] Overexpression of CD 133 and BCL-2 in non-small cell lung cancer with neuroendocrine differentiation after transformation in ALK rearrangement-positive adenocarcinoma.2019
Author(s)
Koyama K, Katsurada N, Jimbo N, Tachihara M, Tamura D, Nakata K, Nagano T, Yamamoto M, Kamiryo H, Kobayashi K, Itoh T, Nishimura Y
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Journal Title
Pathology international
Volume: 69
Pages: 294-299
DOI
Peer Reviewed