2020 Fiscal Year Research-status Report
悪性胸膜中皮腫PDXモデルを用いたATP関連がん代謝を標的とした治療開発
Project/Area Number |
19K18217
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kure Medical Center |
Principal Investigator |
上垣内 篤 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 医師 (70825231)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がん代謝 / 悪性胸膜中皮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
予後不良な疾患である悪性胸膜中皮腫の優位がん代謝を明らかにし、ATP 関連がん代謝を標的とした新規治療薬の開発を目標としている。悪性胸膜中皮腫は稀な疾患であるため、まずは検体を得やすい肺腺癌において、新規治療薬の標的となりうる代謝機構の同定を試みている。 まずTCGA(The Cancer Genome Atlas)データベースを用いた解析を行った。ヒト肺腺癌症例における代謝関連分子プロファイリングを検討し、ヒト肺腺癌は優位がん代謝別に分類できることが示唆された。また、手術により得られたヒト肺腺癌の薄切検体を用いてがん代謝関連分子に対する免疫染色作業を行っている。さらに、肺腺癌細胞株を用いた優位がん代謝を標的とした治療薬の効果を検討した。一定の抗腫瘍効果が認められ、複数の細胞株で同様の傾向が確認されている。 ヒト肺腺癌における優位代謝の同定は、悪性胸膜中皮腫細胞における優位代謝の分類と、新規治療薬の確立の実現可能性を後押しするものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
まずは検体を得やすいヒト肺腺癌検体での検討を進めているが、悪性胸膜中皮腫細胞における代謝関連分子のプロファイリングは行えておらず今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はヒト肺腺癌細胞株を用いて、優位代謝に対する標的治療の有効性を調べる予定である。その後、悪性胸膜中皮腫における優位代謝を明らかとし、それぞれの優位代謝別に拮抗薬の抗がん作用を検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
比較的検体の得やすいヒト肺腺癌における検討を行ったのみで、悪性胸膜中皮腫細胞株を用いた代謝関連分子プロファイリングは行えていないため、NSGマウスの購入には至らなかった。また学会の中止やWeb開催に際し、旅費が不要であった。 今後は悪性胸膜中皮腫細胞における優位代謝の同定と、優位代謝別の拮抗薬の抗がん作用の検討を予定しており、試薬購入費として使用する予定である。
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