2021 Fiscal Year Annual Research Report
Assessment of Delta-like 1 homolog (DLK1) expression as a therapeutic target in small cell lung cancer and its application to radioimmunotherapy
Project/Area Number |
19K18223
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
高木 玄教 福島県立医科大学, 医学部, 客員研究員 (90834325)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | lung cancer / DLK1 / Notch ligand / radioimmunotherapy / astatine |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、細胞増殖調節機構とされるNotch receptor ligand familyが、予後不良とされる小細胞肺癌(SCLC)の治療標的として注目されている。今回、Notch ligand の1つであるDelta-like 1 homolog(DLK1)の発現率および臨床的意義について検討し、これを治療標的としてRadio-Immunotherapy(RI療法)への応用の可能性を検証した。 まず、福島県肺癌研究会/北海道肺癌臨床研究会から抽出されたSCLC112例の切除標本を用いて、DLK1の発現率とその臨床的特徴を検討した。さらに、非小細胞肺癌(NSCLC)の切除標本101例でも同様に検討を行った。また、SCLC細胞上のDLK1を標的として、抗DLK1抗体を、α線放出核種211Atと同族の核種125Iで標識した複合体(125I標識抗DLK1抗体)を作成しRI療法への応用の可能性を細胞実験と動物実験で検討した。 研究成果として、SCLCおよびNSCLCの臨床検体で、DLK1の陽性率はそれぞれ20.5%および16.8%で、NSCLC切除例において、DLK1陽性群では、陰性群と比較し無再発生存期間が有意に短かった(p<0.01)が、全生存期間に差はなかった。SCLCにおいては、DLK1の発現により予後に差はなかった。DLK1高発現のヒトSCLCやヒト神経芽細胞腫の培養細胞において、125I標識抗DLK1抗体は腫瘍細胞上のDLK1と特異的な結合が見られ、さらに担癌モデルマウスにおいても、同複合体は腫瘍に特異的に取り込まれた。 本研究の実績概要として、SCLCとNSCLCにおいてDLK1は一定数の発現があり、RI療法の治療標的となり得ると考えられた。臨床的特徴としてNSCLCでは術後再発の予測因子となる可能性が示唆され、さらに、抗DLK1抗体を用いたRI療法開発の可能性が示された。
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