2020 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイド因性痛覚過敏における小胞体ストレスの関与の検証
Project/Area Number |
19K18232
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
飯田 高史 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40468442)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 活性酸素 / オピオイド / 小胞体 / MnSOD |
Outline of Annual Research Achievements |
オピオイドの使用量はここ10年で急増している。麻酔科領域では手術麻酔においてもオピオイドの使用自体を抑制しようとする試みも行われるようになってきた(Anesth Analg. 2018.24. ahead of printing)。問題のひとつに鎮痛のために使用しているオピオイドが逆説的に疼痛を誘発するオピオイド因性痛覚過敏(OIH)がある。高濃度のレミフェンタニルを術中使用すると術後の急性疼痛の発症は増加する(Br J Anaesth. 2014; 112:991-1004)。OIH に関してはこれまでもいくつかの基礎研究がなされているがそのメカニズムに対する結論は出ていない。本研究において我々はなぜオピオイド因性痛覚過敏がおこるのかを問いとし、ここにミトコンドリアより産生される活性酸素(reactive oxygen species;ROS)と小胞体ストレスが関与しているという仮説をたて、MnSOD 産生vector を用いてMnSOD を産生させることでROS の産生を抑制し、OIH が軽減されるということを検証する。また、オピオイドの投与単独では必ずしも痛覚過敏が生じないことに着目し、慢性疼痛で神経が障害されている状態であると、オピオイドによる障害も生じやすいのではないかという、いわゆるtwo-hit theory についても検証することとする。
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