2019 Fiscal Year Research-status Report
急性期疼痛時の脊髄におけるnNOSとCOX-2の関連性
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19K18238
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大西 毅 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60804573)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の先行研究として取り組んできた初期の神経活動増強と一酸化窒素(NO)の関連性について論文を作成し,刊行された(J Physiol 597.13 (2019) pp 3441-3455). 当該研究については,アデノ随伴ウイルス(AAV)を伴うウイルスベクターとして、pAAV.Syn.GCaMP6s.WPRE.SV40 (AAV9)とAAV.CamKII.GCaMP6s.WPRE.SV40 (AAV9)をそれぞれAddgene社より購入した.現在は過去の報告(Sci Rep.2015;5:14306)を参考に,in vivoカルシウムイメージング法の確立を目指している.注入に必要な機材をそろえ,青色色素であるEvans Blueを用いて,ケタミン麻酔下のマウスの脊髄への侵入経路や薬剤の投与量,デバイスなどについて最適な方法を検討中である.注入時点でマウスにダメージをできるだけ与えないような低侵襲の方法についても併せて検討している.この投与法がある程度確立できたところでAAV9を随伴するウイルスベクターを注入し,緑色の光源下でのベクター発現の確認作業に移行していきたいと考えている. また,NOと関連して急性期の神経活動増強を引き起こす物質に関しては,依然としてシクロオキシゲナーゼ-2に焦点を当てているが,現段階ではそこまで進捗していないため,論文検索によって神経障害性疼痛に関する最新の知見を得ることで,解明したい現象を成すための最適な物質について,プロスタグランジンなどその他の炎症性物質を含めて引き続き検討していく予定である.これらの作業を並行しながら進め,年度内に本実験系においておおよその概要を掴めるように努力する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先行研究の論文作成・投稿に予想以上に時間がかかってしまったこと,新型コロナウイルス感染拡大などに伴う臨床業務の過多により,本研究に割くエフォートが当初の予定より減少しているため当初の予定より遅れている.しかしながら,ウイルスベクター等必要な物品については既に購入済みであるため絶えず進捗できる努力をしていく.
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Strategy for Future Research Activity |
ベクターの注入手技について,なるべく早期に確立することを第一の目標とする.該当物質との発現についても候補を選定し,ベクターへの組み込みについて協力者とも相談しながら研究を進める.
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Causes of Carryover |
計画書提出時に想定した状況と比較して先行実験における論文投稿および受理に時間がかかったこと,その後の実験も想定通り進まず,試薬等の支出が予定よりも抑えられたことが理由として考えられる. 本年度は実験の進行に伴う消耗品(ピペットや特殊な薬液注入装置)の購入,各学会における成果の発表を予定している.ただ,学会についてはCOVID-19による中止や延期が相次いでおり,どれだけ当初の想定通りに使用できるか未知数である.
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