2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K18242
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
住吉 美穂 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (50510971)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | sPD-L1 / 免疫麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工心肺中に投与する吸入麻酔薬デスフルレンの薬物動態と臨床的モニタリング方法は未だ確立されておらず、人工心肺中のデスフルレン濃度をガスクロマトグラフィーを用いた測定により明らかにする探索的検討を行う。それにより移動時も含めた吸入麻酔薬の一貫した使用を実現し、人工心肺使用手術後患者の周術期を通した循環動態安定に寄与することを目標とする。 それに先立ち、人工心肺中は全身炎症状態が惹起されることを勘案し、人工心肺による炎症状態を多角的に分析する方針とした。 心停止後症候群では全身で虚血再灌流傷害、血管内皮の障害が生じそれにより全身炎症状態、免疫麻痺がおこるが未だ分子メカニズムは不明な点が多い。 PD-L1は通常細胞表面に発現しており、虚血再灌流、炎症により細胞外ドメイン部分が切断され血液中に可溶性PD-L1(sPD-L1) として遊離するが、sPD-L1も細胞傷害性T細胞の免疫麻痺の状態に関与すると考えられ注目されている。過去に我々は敗血症患者ではsPD-L1が上昇し、腎機能、中枢神経機能、凝固系の障害と関連していることを報告してきたが、院外心停止患者において血漿中sPD-L1濃度の測定を行い、病態との関連について解析を行った。
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