2019 Fiscal Year Research-status Report
多施設データベース構築によるPACU(麻酔後ケアユニット)の安全性と有用性の検証
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19K18249
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
仙頭 佳起 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80527416)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小児病院PACU |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的のひとつめである「術後24時間以内の重篤な有害事象の発生状況の把握と解析」に関する予備調査を行った。 あらゆる施設にアプローチする方法を検討したが実践は困難であると判断したため,予備調査では対象を小児病院に限定した。2019年10月に小児総合医療施設18施設に対する全国調査を実施した。4年前に研究代表者が行った調査と比較し,postanesthesia care unit(PACU)運営状況の変化を検討した。 PACUを有する施設数は8(44.4%)から11(61.1%)に増え,運営をやめた施設はなかった。PACUがない理由を「不要だから」とした施設は40.0%から16.6%に減った。PACUの必要性の理由として,呼吸,意識,痛みの評価,手術室稼働率が順に多かったが,意識の評価は順位が上がった。各施設から,術後24時間以内の重篤な有害事象発生のおおよその頻度について回答を得た。 この予備調査の実施と結果を受けて,協力的である小児病院でまずシステムを構築し,それを一般病院・大学病院にも拡大していくのがよいと思われた。 研究成果は,国内では日本麻酔科学会第66回学術集会のシンポジウムに採択されており,海外ではEuroanaesthesia 2020(ヨーロッパ麻酔科学会の学術集会)の一般演題に採択されており,発表予定だった。(その後,新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って両学術集会とも中止・延期となったため実際には未発表のままになっている。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文書ベースでの予備調査は行ったが,オンラインデータ登録システムの構築はまだできていない。 研究協力者を含めてこれまでにPACUを開設した施設の代表者やPACU開設を検討中の施設の代表者と個別に面談ができたが,会合やweb会合は開けなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)のインターネット医学研究データセンター(INDICE)にてオンライン登録のデータベースを構築し,最近10年以内および本研究期間中にPACUを新規開設した(する)施設を公募する。 研究参加施設のデータ登録を待ち,術後の重篤な有害事象がPACU開設によって変化するのかを解析し,術後管理の安全性を向上させる対策としてPACUは有用なのかどうかを検証する。
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Causes of Carryover |
オンラインデータ登録システムの構築が来年度へ持ち越された。
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