2020 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎における肥満パラドックスの微小循環生理学による病態解明への挑戦
Project/Area Number |
19K18251
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization National Disaster Medical Center |
Principal Investigator |
満田 真吾 独立行政法人国立病院機構災害医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 麻酔科医師 (80636431)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺炎 / 肥満パラドックス / 微小循環 / グリコカリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
肺炎は高齢者の死亡原因として常に上位に位置づけられ肺炎による死亡を減少させることは社会的なテーマとなっている。近年の研究によると、「BMI増加に伴い死亡率が低下する」といういわゆる「肥満パラドックス」が肺炎病態でも見られるという分析結果がある。本研究で肥満マウスとコントロール(非肥満)マウスの肺炎病態下における微小循環レベルでの事象を「生体顕微鏡画像技術」を用いてin vivoで観察し、変化に富む生体肺血管内皮細胞の機能及び肺の組織学的変化の差を明らかにし、肺炎における肥満パラドックスの病態生理学的機序を解明したいと考えた。 平成31年度前半で肥満マウスモデルを作成し、各群に生後8週から体重差が認められ始め高度肥満群、中等度肥満群、コントロール群を作成できた。また後半には当初の鼻腔内へのLPS噴霧による肺炎モデルの計画を変更し、マウス気管内挿管を行い、LPSを気管チューブを介し噴霧する方法で肺炎モデルの作成を試みた。これに関してはマウスの体重減少、炎症反応の上昇が観察され、気管内LPS噴霧によるマウス肺炎モデルを作成できる感触を得た。 最終年度に肥満マウスに対して肺炎モデルを作成し、データを収集する予定であったが、COVID-19の感染拡大により、実験施設への移動の制限、臨床業務の増加に伴い実験を行うことが難しく、研究実績としては肥満マウスモデルの作成及び気管内LPS噴霧によるマウス肺炎モデルを作成にとどまった。
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