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2019 Fiscal Year Research-status Report

低酸素応答を介した病的疼痛の重症化・慢性化の機序の解明

Research Project

Project/Area Number 19K18252
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

寅丸 智子  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70594612)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords低酸素応答 / 慢性痛
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、細胞内酸素濃度センサー・PHD に着目し、臨床的に重要な種々の病的疼痛の重症化・慢性化との関係性を明らかにする事である。各種の病的疼痛マウスモデルでの低酸素応答関連分子の発現・活性を明らかにし、局所低酸素を制御することにより新たな疼痛管理法を展開する。
低酸素応答は、転写因子 hypoxia-inducible factor(HIF)の活性化による関連遺伝子の発現を介して個体の低酸素環境への順応をもたらすが、本研究ではまず、PHD2を始めとする低酸素応答関連分子の末梢神経系での発現の有無を確認するためにBALB/cマウスで足関節結紮による虚血肢痛モデルを作成した。足関節結紮による虚血肢痛の出現を確認し、足底の皮膚の免疫組織染色では、皮下神経束内で著明な虚血性変化が見られ、虚血時間依存的にPHD2、HIF-1αの発現の上昇が確認された。末梢組織での神経束内で虚血時に低酸素応答機構による順応反応が起きている可能性が示唆された。
次に手術後痛における低酸素応答関連分子の末梢神経系での発現を調べるために手術後痛モデル(Brennan モデル)を作成した。術側の足の自発痛の出現を確認し、足底の皮膚の免疫組織染色では、皮下神経束で侵害受容性線維のマーカーであるTrkAの発現の上昇、PHD2の発現の上昇及び虚血性変化が認められた。PHD2の発現はシュワン細胞のマーカーであるp75の局在と一致しており、手術後痛モデルでは神経束の侵害受容性線維とシュワン細胞において低酸素応答が起きている可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

末梢神経系における低酸素応答関連分子の存在を確認し、手術後痛モデルにおける低酸素応答関連分子の発現パターンを検証した。
研究計画はおおむね計画通りに進展している。

Strategy for Future Research Activity

手術後痛モデルでは神経束の侵害受容性線維やシュワン細胞において低酸素応答が起きている可能性が示唆されたが、その局在の詳細を共焦点顕微鏡で明らかにする。
野生型マウスにPHD阻害薬(FG4592)を投与して、全身で低酸素応答をオンにしたモデルを作成する。これらのマウスのベースライン及び手術後痛モデルでの疼痛閾値の変化を von Frey 試験及びホット・コールドプレート試験で調べ、低酸素応答の病的疼痛への関与を実証する。自発痛はdynamic weight bearing システムを用いて客観的に評価し、対照群マウスと比較する。

Causes of Carryover

未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果である。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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