2019 Fiscal Year Research-status Report
肥満モデルマウスにおける術後認知機能障害の検討ー機序およびその予防ー
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19K18257
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内田 洋介 北海道大学, 大学病院, 助教 (00507585)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 術後認知機能障害 / メタボリックシンドローム / 肥満 / 高脂肪食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では手術後に発生する認知機能障害の病態およびその効果的な予防法に関して、食餌誘発肥満モデルマウスを用いて解明することを目的としている。肥満をはじめとしたメタボリックシンドロームは術後認知機能障害のハイリスク群であることが既に過去の報告で分かっている(Front Immunol. 2017 Dec 11;8:1768)。本研究で得られる成果は、ヒトにおいて肥満や耐糖能異常などのメタボリックシンドロームを有する患者群の術後認知機能障害を予防するのに寄与するだけでなく、さらにはその病態解明によって残念ながら術後認知機能障害を発症した患者群への治療法の確立に繋がるものと我々は考えている。 本研究では申請した研究計画に沿って高脂肪食を与えた肥満マウスと通常食を与えたマウスの2系統を使用するが、高脂肪食を与えることによって得られるマウスのフェノタイプが最大となるように食餌開始時期と食餌期間を文献的考察によって選択した。食餌介入によるマウスの経時的な身体的変化(体重、血糖値など)、血液学的変化(バイオマーカー)、動物から採取した検体を用いた細胞生物学的検査、そして脛骨手術が脳内特に海馬における神経炎症と行動学的検査に与える影響を目下検討中である。血液学的および細胞生物学的検討においては、ある種の炎症性サイトカイン(それに準ずるものも含む)を有効なバイオマーカーとして我々は焦点を当てているが、ELISAを用いた検討では安定した結果を得るだけの手技が確立しているものの、その他の実験テクニックでは更なる習熟を必要とするような状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験計画書審査の遅れ、新興ウィルス感染症による社会的情勢の変化などによって当初予想してい研究計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度と比較して2020年度の研究体制は充実するものと予想されており、研究計画の遅れは十分に挽回可能と考えている。
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Causes of Carryover |
所属教室に配分された他の使用期限付き資金の使用を優先したのに加えて、全体的な研究経過の遅れにより2019年度に使用予定分を2020年度のに加えて使用する予定である。合算して受け取ることができる助成金は、各種検査キット・抗体・消耗品の購入に使用予定である。
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