2020 Fiscal Year Annual Research Report
下部消化管手術後の敗血症マーカー、プレセプシンの推移の検討
Project/Area Number |
19K18259
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中井 希紫子 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60645266)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | プレセプシン / 術後感染性合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
術後の感染性合併症は、入院期間の延長や医療費の増大、死亡率の上昇に寄与するため、早期診断と適切な初期治療の重要性は高い。プレセプシンは本邦では2014年より保険収載され臨床使用可能となった敗血症診断マーカーであり、プロカルシトニンやC反応性蛋白(以下、CRPと略す)、インターロイキン-6と比較し、感染症における特異性が高いことが知られている。さらに、多くの敗血症診断マーカーと異なり、プレセプシンは侵襲度の高い外傷や熱傷などの病態による偽陽性が少ないとされている。しかし、プレセプシン値に対する下部消化管手術の影響や術後感染症診断における有用性については明らかにされておらず、この度、下部消化管手術後の感染性合併症診断におけるプレセプシン測定の有用性を明らかにすることを目的に本研究を計画実行した。 成人下部消化管予定手術患者を対象に、手術執刀前、術後1日目・2日目・3日目・4日目・7日目に採血を行い、プレセプシン・プロカルシトニン・CRPを測定し、各々における測定値の経時的推移を検討した。術後在院日数及び敗血症の診断基準に関わる項目(qSOFAスコア)も観察し、またプレセプシンの早期術後感染症診断における有用性を検討するために、術後の縫合不全や創部感染などの感染症の有無により患者を2群に分け、プレセプシン値の推移を比較検討した(主要評価項目)。同様にプロカルシトニン、CRPについても値の推移を比較検討した(副次的評価項目)。
|