2021 Fiscal Year Research-status Report
非拘束、非接触ベッドセンサー生体情報モニターの小児術後管理における有用性検討
Project/Area Number |
19K18262
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
波照間 友基 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30832886)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | COVID-19の影響による遅延 / 小児 / 呼吸監視モニター / ベッドセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は小児用の非接触型呼吸監視モニターの開発である。昨年度までCOVID-19パンデミックのために対象患者が集められず、研究に遅延が生じ明確な実績や成果は挙げられずにいた。COVID-19による影響が数年以内に改善を見込めないため、2021年度は研究モデルの変更やデータ収集の更なる効率化、病棟体制の整備を行い研究を進行させた。 2021年度は20例の健康な小児における小手術を対象に手術前後でデータの収集を行った。当初の目的通りベッド脚下4点に設置した精密体重計を使い、小児の呼吸変動に伴う臓器移動の波形を特定し、呼吸回数の測定に成功している。現在、計測されたデータが過去の文献における手術前後の呼吸パターン変化と矛盾しないか、計測された呼吸回数が正常範囲とされる呼吸回数のデータおよび目視で測定されたデータから逸脱していないのかを統計解析を交えて検証している段階である。 実験中、呼吸回数だけではなく生理的な2呼吸時間分の無呼吸も高感度で測定出来ていた。応用を重ねれば、手術後の異常な呼吸をきたした患者の早期発見や、他にも肺炎などによって呼吸パターンに異常が生じ始めた患者の早期発見にも応用が期待できる。 論文で検索を行う限り、現在までに本研究で開発中であるような非接触、非拘束かつ連続的に呼吸回数を測定できる機器は存在していない。本システムが完成すれば、患者に触れないことによって患者に与えるストレスが極端に減り、今まで不可能であった長期間の観察を連続的に行うことが出来る。本システムによる長期間の連続観察により、臨床においては生命に危機が及ぶ前の患者を早期発見、早期介入できる可能性があり、研究においても新しい知見をもたらすことが期待されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度までCOVID-19パンデミックへの対応を迫られた結果、対象患者が見つからないなどの理由によって研究に大幅な支障が生じていた。 2021年度からはCOVID-19パンデミックの存在を前提として研究方法の見直し、各科協力体制の変更などを行った結果、一定の進捗を見せている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に施行した実験結果を論文にまとめ公表することを短期目標としている。 現在は正常な呼吸を正確に捉えることを目標としているが、今後は異常な呼吸を高感度で捉えることを目標とする。具体的にはより侵襲の大きな小児手術患者を対象にする、肺炎をきたした小児を観察の対象にするなどが考えられる。
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Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックにより研究進捗が遅れ発表や寄稿に遅延が生じている。 次年度に英文校正料金20万円や事務手数料、論文掲載料40万円、学会発表の旅費20万円などに使用する予定。
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