2020 Fiscal Year Research-status Report
筋弛緩拮抗薬投与後の再クラーレ化危険因子とそのメカニズム解明に関する研究
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19K18263
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
村松 隆宏 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80807446)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋弛緩拮抗薬 / 筋弛緩薬 / 再筋弛緩 / 肥満 / 筋弛緩モニタリング / 血中濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満患者における筋弛緩薬、筋弛緩拮抗薬の作用が通常成人と異なることを明らかにすることを目的としている。これまでの私が明らかにした研究においても、 肥満は不十分量の筋弛緩拮抗薬投与後の再筋弛緩状態を起こす危険因子であることは示されていたが、このことを明確に示した研究は存在しなかった。私はこれ までにプロトコルを確立し、14例の症例(非肥満患者は2例)に対して研究を行い、各タイミングでの採血検査も施行し、筋弛緩状態と筋弛緩薬血中濃度、筋弛 緩拮抗薬投与後の筋弛緩状態と筋弛緩薬、筋弛緩拮抗薬濃度を測定し、その動態や関係性について検討を行っている。また肥満患者では適切な筋弛緩モニタリングが困難であることもわかってきており、この対応策についても新たな臨床研究を計画している。今後も症例数を増加し、目標症例数(肥満 症例20例、非肥満症例20例)まで到達ししだい統計学的検討を行っていく予定である。 また、これまでに高齢者と非高齢者の筋弛緩薬と筋弛緩拮抗薬の作用が異なることを明らかとしているが、この内容についての研究結果の2次解析を現在行っており、論文執筆を予定している。また、この2次解析の内容については、ヨーロッパ麻酔学会にてオンラインにて発表を行った。現在、筋弛緩状態の維持が必要な手術が増加してき たことから症例確保にやや難渋していること、コロナウイルスの影響で手術時のデータ採取に制限が多く、研究の進行度は予定よりも遅れてしまっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在、筋弛緩状態の維持が必要な手術が増加してきたことから症例確保にやや難渋していること、コロナウイルスの影響で手術対応も変化していることから、研 究の進行度は予定よりも遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルスに対するワクチン接種も開始されたため、現在の状況が落ち着けば、積極的に症例をリクルートし、症例数が集まった段階で統計学的解析を行い、論文化を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度購入を希望していた体組成計が予算内で購入できなかったため、購入を見送った。また、購入を予定していた筋弛緩モニターも発売が中止になっていたが、次世代機が発売されたため、次年度初旬の購入を予定している。以上の理由から次年度使用額が生じている。また、使用計画については、 次年度も今年度と同様に各学会への参加や発表を予定している。筋弛緩薬の血中濃度測定については、外部機関に委託しているが、その費用の支払いや消耗品物品の購入も予定している。
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Research Products
(2 results)