2019 Fiscal Year Research-status Report
メトフォルミンは敗血症における筋組織の蛋白異化亢進を抑制する
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19K18271
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 堅悟 京都大学, 医学研究科, 客員教授 (90734658)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メトフォルミン / 代謝 / 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス筋芽細胞(C2C12細胞)を用いたin vitro実験を確立した。ウマ血清含有の培地に変更し5日間培養し細胞を分化させ、筋管形成を伴った細胞を確認した。この細胞を用いて、LPS投与を行い、筋萎縮を免疫染色による細胞幅の測定、ウエスタンブロッド法にミオシン蛋白の発現量の解析により評価した。また、蛋白分解に関連するユビキチンプロテアソーム系経路、オートファジー・リソソーム系経路を検討するため関連する蛋白(FoxO, LC3, p38MAPK, C/EBP, STAT3)の発現量をウエスタンブロッド法で、関連遺伝子(Atrogin-1, MuRF)をRT-PCR法で解析した。 各種刺激により筋萎縮を引き起こすことができ、LPS投与では直径やミオシン蛋白発現量の減少、またatrogin-1遺伝子の発現誘導を確認した。 現在はメトフォルミンによる筋萎縮への影を解析しているが、これまでのところ筋萎縮への抑制効果を認めておらず、引き続き投与量や投与時間の調整を行なっている。それに加え、刺激する種類についても検討を始めている。ICU-AWでは、敗血症などでみられるように炎症性サイトカインによる刺激だけでなく、低酸素やステロイド投与もその危険因子として挙げられている。これらの刺激による筋萎縮への影響を検討するため実験系の確立を行なっている。 また、不動化もICU-AWの大きな要因の一つであるが、これらの実験系はマウスを用いたin vivo実験でしか表現できない。当初は、in vitro実験によりメトフォルミンの効果を確認した上で開始する予定であったが、マウス実験の準備も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
in vitro実験の確立に時間がかかっている。特に、筋萎縮の評価のために行なった免疫染色では、細胞が剥がれてしまい評価できるようになるまでに時間がかかった。LPS刺激による筋萎縮は、他の実験系(ウエスタンブロッド法によるミオシン蛋白の発現量解析)などにより評価は行えており、ある程度C2C12細胞を用いた実験系の確立できたとは考えている。現在の実験系では、メトフォルミンの筋萎縮による抑制効果は確認できておらず、引き続き予備実験(投与量・投与時間の調整)を行なっているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験の確立とメトフォルミンの抑制効果の予備実験に時間を取られており、実験を推進させるための方策を作成した。 一つ目は、筋萎縮を誘導させる刺激の変更である。これまでは、LPS投与のみで筋萎縮およびメトフォルミンの効果を検討してきた。しかし、ICU-AWの要因としては、低酸素やステロイド投与なども関連している。これらの刺激を加えた実験を行い、メトフォルミンの効果を検討する。 二つ目は、マウスを用いた実験系の確立である。ICU-AWの要因となる不動化の影響は細胞実験では評価できない。また、メトフォルミンの効果は直接的な効果だけでなく間接的な効果も予想しておりそれらを検討するためにマウス実験を行う。 三つ目は、筋芽細胞から分化誘導される経路の検討である。これまで、分化誘導を行った後のC2C12細胞のみで実験を行なっている。ICU-AWにおいては、筋芽細胞の分化抑制を示唆する先行研究もありその過程におけるメトフォルミンの効果を検討する。
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Research Products
(1 results)