2020 Fiscal Year Annual Research Report
njury protection through a novel inflammasome signaling pathway against acute lung injury
Project/Area Number |
19K18274
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
倉敷 達之 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (10722069)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インフラマソーム / タイトジャンクション / 急性肺障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は「新規インフラマソームシグナル経路の活性化によって急性肺傷害で惹起される上皮バリア機能の破綻を抑制できるかを明らかにする」ことである。 これまでの解析から、低容量LPS刺激処理は培養上皮細胞のTJの消失を抑制した。この効果は、ヒト臍帯静脈内皮細胞の細胞間接着構造の消失も抑制した。低容量LPS刺激は、NLRP3、IL-1β、カスパーゼ1の発現を上昇させ,インフラマソームシグナルの活性化が観察された。 本年度は、高濃度のLPS刺激により誘導される肺障害モデルマウスを用いて、低濃度LPSの前処理による肝障害、肺障害とそれら組織の細胞間接着構造の保護作用について検討した。その結果、低濃度LPSの前処理により、肺障害が抑制された。さらに、それら組織の細胞間接着構造の変化も抑えられた。一方、培養上皮細胞や培養内皮細胞を用いた検討から、低容量LPS刺激により細胞間接着構造の維持・形成に関わる極性制御分子であるaPKCの活性化が観察された。aPKC活性は上皮細胞の細胞間接着構造の形成において重要であることが報告されている。そこで、培養上皮細胞の細胞間接着構造の形成に対する作用について検討した。その結果、低容量LPS刺激した培養上皮細胞を用いて、カルシウム依存的な細胞間接着構造の形成過程を観察したところ、促進されることが明らかとなった。 これらの結果から、インフラマソームシグナルの活性化にaPKCを介した極性制御シグナルが関わることが示唆され、これらシグナルが上皮バリア機能の形成や保護に関わる細胞内情報伝達経路となりうることが明らかとなった。
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