2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular mechanism of anti-inflammatory effects of intravenous anesthetic agents
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19K18280
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
河内山 宰 順天堂大学, 医学部, 助教 (30821722)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マクロファージ / GABAa受容体 / プロポフォール / THP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究者が先行研究にて示した、「プロポフォールの炎症性サイトカイン産生抑制効果の作用機序としてプロポフォールの本来の鎮静効果の作用起点であるGABAa受容体が関与している可能性がある」という結果より、このGABAa受容体に着目して研究を行っている。 GABAa受容体は、19種類のサブタイプのうち5つから成り立つ5量体のイオンチャネル型受容体である。その19種類の内、多く発現されているα、β、γ、δの13種類のサブタイプの発現を解析した。 ヒト急性単球性白血病細胞株(THP-1)を使用して実験を行った。THP-1をPhorbol 12-myristate 13-acetate(PMA)刺激し①マクロファージへ分化させ、②このマクロファージを用いてM1分化させた。③M1分化時にプロポフォールを添加し培養した。①~③の各細胞のGABAa受容体サブタイプのmRNA発現をRT-PCR法で解析した。①マクロファージ分化、②M1分化、③M1分化時のプロポフォールによるGABAa受容体サブタイプへの効果・影響を遺伝子発現変化で検討した。 ①ではGABAa受容体サブタイプのα1、α4、β1、β2、γ1、γ2のmRNAが有意に増加した。②ではα1、α4、β1、β2、γ2のmRNA発現は有意に抑制された。③ではα1、α4、β2のmRNA発現が増加傾向であった。 THP-1においてマクロファージ分化、M1分化によってGABAa受容体のサブタイプの遺伝子発現は有意に増減した。特に、炎症抑制効果に関与しているα1,α4の発現増加はプロポフォールの持つ炎症性サイトカイン抑制効果に繋がる可能性が示唆される。 ここまでの研究結果をまとめ2020年6月に日本麻酔科学会に抄録を提出しポスター発表を行う予定であった。(コロナウイルス蔓延のため、ポスター発表は中止)現在、論文を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス蔓延により、研究活動自体が制限された時期があった。コロナウイルス感染者への対応にあたり、臨床の仕事が多忙になってしまった。 また、2020年度末に研究者が使用している研究スペースが、大学の意向で移動することが決定した。その為、実験スペースの移動と実験環境の整備に時間を要してしまい研究に割ける時間が減ってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、行っている論文を完成させて投稿を行う。 また、新たに静脈麻酔薬の臨床研究を計画しているのでその実施及び文献調査を行っていく。 静脈麻酔薬を用いた動物実験を行う機会を頂いたのでそちらについても今後実験を行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延の影響と、研究スペース移転において実験計画に遅れが生じたため。 今後、新しい研究スペースにて研究課題解明のために実験解析を行っていく。
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