2023 Fiscal Year Annual Research Report
TRPチャネルへの麻酔薬の作用機序解明を通して,新たな脳浮腫治療を探る
Project/Area Number |
19K18281
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 奈々惠 東京医科大学, 医学部, 助教 (00630550)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | TRPチャネル / 脳保護 / カルシウムイメージング / 麻酔薬作用機序 |
Outline of Annual Research Achievements |
Transient receptor potentialチャネル(TRPチャネル)に作用する薬物を調べてゆくうちに、ミトコンドリア活性薬5-テアザフラビン(TND1128)が脳保護的に働くことを見出した。【方法】 TND1128 と β-NMN をマウスに腹腔内投与し, 低酸素環境下で行動観察を10分間行った。また、血液中の活性酸素を測定した。【結果】 TND1128が低酸素状態での動き、活性酸素を発生させないよう、有効に働いていることが確認できた。【結論】今後さらに、TND1128のもつ可能性について調査してゆく。 (研究期間全体を通してのまとめ)麻酔薬が年齢依存的な細胞膜の特徴的な柔軟性脳細胞膜に作用しており、それが、膜状に存在するTRPチャネルの作用発現にも関係していることを確認した。中でも、脳内でTRPV4チャネルが、血管上皮細胞とアストロサイトに発現しているアクアポリン4が、TRPV4と連携して血管内に過剰な水分を送り込む仕組みに関与していることが示唆された。虚血環境下で、TRPV4ブロッカーと低濃度アセタゾラミド(一般にはアクアポリンブロッカー4ブロッカーとされている)は、細胞間隙の水分貯留を制御することで虚血時に脳保護的に働くことが示唆された。また、ミトコンドリア活性薬TND1128も脳保護的に働くことが確認できた。今後さらに検討してゆく。 謝辞)研究指導を受けた東京薬科大学名誉教授 工藤佳久先生およびTND1128の提供を受けた崇城大学薬学部DDS研究所特任教授 永松朝文先生に謝意を表する
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