2019 Fiscal Year Research-status Report
安全性向上のための小児輪状甲状間膜穿刺モデルの開発:3Dプリンターの適応
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19K18282
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
虻川 有香子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00318148)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児 / 輪状甲状間膜穿刺モデル / 気道確保困難 / 安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
輪状甲状間膜穿刺に必要な情報を取得するため、0歳から15歳までの患児17名のデータを収集した。保護者ならびに本人から同意が得られる場合には本人からも同意を得たうえで、研究を行った。全身麻酔下で超音波エコープローベを頸部の長軸方向にあて輪状甲状間膜の位置を同定後、輪状甲状間膜の位置でプローベを短軸方向とし、デジタルフォースゲージにて5N(ニュートン)の圧で喉頭を加圧し超音波エコーにて気管の移動距離を測定した。この5Nの圧は、推奨されるクライコイドプレッシャーの圧20~40Nと比較すると1/8~1/4とかなり低い圧であり、研究中に合併症などはなかった。 年齢と輪状甲状間膜部の移動距離は、年齢が上がるほど移動距離は小さかった。これは年少児のほうが輪状甲状間膜穿刺の成功率が低いが、輪状甲状間膜部の固定の悪さがその一因であることが示唆される。 そして測定の情報をもとに、乳児の輪状甲状間膜穿刺モデルを京都化学に依頼し作成した。このモデルは、皮膚、皮下組織が超音波エコーを使用した際に臨床とほぼ同じようにみえる材料で作られているため、超音波エコー下穿刺の練習となりうる。なお、圧迫した際の気管の変位が再現されるため、とても有用である。また乳児の頭部のパーツと頸部のパーツがはめ込むタイプとなっているため、練習による劣化の際も交換が可能である。また気管の構造と食道の構造があるため変位の様子も臨床に近似している。臨床に近似した小児の輪状甲状間膜の穿刺モデルの第1段階の開発が可能であった。 今後の課題としては、喉頭から気管までの構造が筒状となっており、輪状甲状間膜も含めてその構造を再現することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年少児の測定のみならず、実際のモデルが作成されているため、おおむね順調に進展しているものと考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今現在輪状甲状間膜部の構造は、ただの筒状となっており、今後、そのパーツの細部にわたる構造を構築していく必要がある。 また年長児の同様のモデルを作成していく予定である。
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Causes of Carryover |
輪状甲状間膜穿刺モデルが翌年度分として支払うこととなったためである。
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