2019 Fiscal Year Research-status Report
VR(virtual reality)の慢性神経障害性疼痛への効果と作用機序解明
Project/Area Number |
19K18306
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
濱岡 早枝子 順天堂大学, 医学部, 助教 (80812437)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | virtual reality / VR / 慢性疼痛 / 慢性神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、慢性神経障害性疼痛に対するVR(virtual reality)治療の効果を主観的・客観的に評価し、その有効性について検討することである。VR治療という非侵襲的で患者が自ら参加できる治療法を、よりリアルな3D環境で提供することにより、慢性神経障害性疼痛患者の疼痛を緩和してQOLやADLを回復させ、社会貢献に繋げることを目標としている。2019年度は、幻肢痛、神経腫瘍に伴う疼痛、引き抜き損傷後痛、帯状疱疹後神経痛などの患者に対してVR治療を実践し、疼痛強度、疼痛の性状、日常生活支障度、不安や抑うつ、破局的思考、自己効力感痛みの強さの変化を評価した。継続的なVR治療により、これらの指標が改善する症例を認めた。一方、VR治療が疼痛を緩和する機序を明らかにするために、fMRI(functional MRI)やNIRS(near-infrared spectroscopy)を使用する予定であったが、NIRSの評価に使用する機器の選択や、fMRI撮影の適切なタイミング・評価方法について最終決定ができておらず、未施行である。今後、これらの脳血流評価に関しても方針を決定し、実践していく予定である。VR治療を施行し疼痛が改善した症例に関して、2020年度の国際学会(IASP World Congress on Pain)に演題を提出し、発表予定である(コロナ感染拡大のため学会開催が2021年度に延期となった)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者が想定されたよりも臨床業務に時間を割かれ、研究を進めるための時間を十分に確保することができなかった。このため、特にNIRSやfMRIによる脳血流評価の具体的な方法についての検討を十分に行うことができなかった。また、当初は慢性神経障害性疼痛患者のみを対象としていたが、症例数の確保が想定していたよりもスムーズに進まず、慢性期だけではなく急性期や亜急性期の神経障害性疼痛にも対象を広げることを考慮している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究者の上司と相談し2020年度より研究日を確保したので、今後は研究に専念する時間を増やすことができる見通しとなった。NIRSやfMRIによる脳血流評価に関する具体的な方法や、対象症例の追加(慢性神経障害性疼痛のみではなく、急性期や亜急性期の神経障害性疼痛も含めること)について検討を行い、研究計画を必要に応じて修正し最終決定する。所属病院の倫理委員会の承認を得た上で、残りの2年間で研究を完了することを目標として症例を集め、研究計画に沿って遂行していく。学会発表に関しては、2021年のIASP World Congress on Painで発表予定となっており、加えて研究の最新の結果を国内学会・国際学会で報告することを目標とする。
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Causes of Carryover |
VR治療が疼痛を緩和する機序を明らかにするために、fMRI(functional MRI)やNIRS(near-infrared spectroscopy)を使用する予定であったが、NIRSの評価に使用する機器の選択や、fMRI撮影の適切なタイミング・評価方法について最終決定ができておらず、未施行である。このため、NIRSの購入費用やfMRIの撮影費用に使用する予定であった金額が未使用となっている。2020年度にはNIRSの購入とfMRIの撮影を行う予定であり、繰越金を含めた助成金を使用予定である。
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Research Products
(1 results)