2021 Fiscal Year Research-status Report
Physiological monitoring to predict postoperative delirium
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19K18308
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
里元 麻衣子 東邦大学, 医学部, 准教授 (10611551)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | せん妄 / 心電図 / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
術後せん妄を予測するツールの開発を目的とした。術後せん妄は予後に直結し、患者自身も苦しい思いをする上、治療薬もないため予防を行うことが何より有益である。我々は、当該研究費を取得し、65歳以上の予定心臓手術患者の術後せん妄を生理学的指標(心拍変動や瞳孔計)で予測できると仮説を立て、研究を進めた。2021年度は目標患者数を達成し、最終解析を確定した。結果は他施設で小規模の研究で得た結果と同様に副交感神経を反映するといわれるHFがせん妄患者で優位に低下しているという結果を得た。 心電図や脳波、瞳孔など比較的侵襲が低く得られる生体情報から患者の状態をいち早く予測し、今後の治療に知見をあたえることで、個々の患者へのオーダーメイド治療が行えると確信している。 本研究により、術後にせん妄と診断された患者のせん妄になりゆく状況の心拍変動(HRV)から特異的特徴を発見した(2019年 Euroanaesthesia, 第30回臨床モニター学会)。また、術後せん妄患者の予測として眼球運動から予測できることを発見した(2019年神経集中治療学会)。さらに手術前日の短時間のHRVから術後の患者のせん妄の起こりやすさが予測できることを発見した(2020年第24回神経集中治療学会)。これらの成果を教育講演「術後せん妄予測」として発表した(2020年日本臨床モニター学会)。数年来手掛けてきた術前のHRVから術後せん妄が予測できることをまとめ論文執筆した(2021年 Annals of Medicine and Surgery)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を立て実行できた。その過程で学会発表や論文も執筆した。 当初の予定通りの進捗を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度はコロナウイルスが世界的に広まり、国内および国際学会はWEB上での発表となった。2021年度も同様に国際学会はWEB開催となった。国内学会もWEB開催が多く、演題発表は行うことができたが、会場から広く意見を受け、議論することはできなかった。しかしながらその学会発表の過程でまとめた内容を論文として仕上げることができた。引き続き論文執筆中であり、2022年度中に英文の雑誌に投稿し受理されるため仕上げを行っていく。
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Causes of Carryover |
計上していた国際学会への参加費及び渡航費がWEB開催となり未使用額が生じた。現在論文執筆中であり、その論文の英文校正費やオープンジャーナルの掲載費用に充てようと考えている。
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