2022 Fiscal Year Annual Research Report
Physiological monitoring to predict postoperative delirium
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19K18308
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
里元 麻衣子 東邦大学, 医学部, 准教授 (10611551)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | せん妄 / 心電図 / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
せん妄は急性に発症する意識障害(意識変容)を本態とし、失見当識などの認知機能障害や妄想幻覚、気分変動などの様々な精神症状を呈する病態である。術後せん妄は手術を契機に起こる急性脳障害で術後30日内の発症と位置づけられ、高齢者に多く、手術患者の20-50%に認められる。術後せん妄の合併は予後を左右するといわれているため、術後せん妄を合併することのない周術期管理は患者の人生に重要な意味を持つ。臨床の現場では、リスク評価し環境改善や重点的にケアを行っているもいまだ術後せん妄を十分に予防できていない。 せん妄は発症率が高いにもかかわらず、その陽性的中率は決して高いとはいえない。看護師は70歳以上の新規入院患者のせん妄の81%を見過ごしていたという報告があり(Arch Int Med. 2001; 161: 2467-2473)、身体科医師による低活動型せん妄の陽性的中率も12.3%と非常に低い(Int J Psychiatry Med. 2014; 47:65-74)。限りある医療資源をより的確に対象とする患者に配分するためにも早期のトリアージや予測は重要な意味をもつ。 今回科研費の研究として、身近にある生体モニターからいち早くせん妄が起こる状況を予測しうることを発見した。具体的には、65歳以上の予定心臓手術患者の術後せん妄を生理学的指標(心拍変動)で予測できると仮説を立て、研究を進めた。食道がん患者の術後せん妄の予測を行い得た結果(Ann Med Surg (Lond). 2021;70:102856)同様に副交感神経を反映するといわれるHFがせん妄患者で術前から優位に低下しているという結果を得た(Cureus. 2023;15:e34613)研究を続ける中で、国内外の招請講演、教育講演及びsymposiumを3つ、国内の学会発表を4つ、そのうち3つは学会で優秀演題と評された。海外の国際学会で 口頭の発表を4つ発表してきた実績がある。
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Research Products
(11 results)