2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K18310
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金谷 明浩 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (20822125)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 術後せん妄 / 一塩基多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国は超高齢化社会を迎え,高齢者の手術件数増加に伴い,術後せん妄の増加が大きな問題となっている.術後せん妄は術後の回復期に起こり,患者にとって不快な体験となるだけではなく,生存率にも大きく影響することが明らかとなってきている.しかしながら,術後せん妄を引き起こすメカニズムや根拠のある 予防法・治療法については,いまだに明らかではなく,その解明は喫緊の課題である.近年,術後せん妄と一塩基多型(SNPs)の関連が示唆されている.そこで,われわれは,術後せん妄と関連のあるSNPsを遺伝子マーカーとして同定する. 術後せん妄は様々な要因の関連が示唆されている。なかでも、疼痛は一つの重要な因子とされており、上肢骨折手術における腕神経叢ブロックの必要性に関する麻酔科医および整形外科医の意識調査を行い、術後鎮痛・術後管理における調査をおこなった(麻酔2020;69:204-9).さらに,本研究の予備研究として,全身麻酔の導入および維持薬として用いられるプロポフォールの薬物動態にSNPsが及ぼす影響について検討した。プロポフォールの代謝に関連したグルクロン酸抱合に関する遺伝子のSNPsが薬物動態に影響を与える可能性を明らかにして,2020年米国麻酔科学会で報告した. 本研究として,日本人に最適化されたゲノム解析のプラットフォームであるSNPアレイを用いた補完的全ゲノム関連解析(GWAS)により,術後せん妄と関連のあるSNPsを遺伝子マーカーとして同定する予定であり,倫理委員会の承認を得て,患者リクルートを開始した.
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