2023 Fiscal Year Annual Research Report
重症敗血症におけるAN69ST膜を使用したCHDFの有効性
Project/Area Number |
19K18313
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
大高 麻衣子 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (30816327)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 敗血症性ショック / AN69ST膜 / 持続血液ろ過透析 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症治療の血液浄化療法に関してはnon-renal indicationで行われることは推奨されておらず、海外での研究もわずかである。また海外での持続血液浄化療法通してはcontinuous venovenous hemofiltration(CVVH)が基本であり、交流量のCVVHでサイトカイン濃度(IL-6)を低下させた研究があるが(2006,Ghani RA)、死亡率や重症度スコア、腎呼吸期間の短縮を認めた研究はない。日本においては、保険診療上一日の浄化量に限りがあるため、透析を加えたCHDFがしばしば行われている。 本邦では2014年7月に重症敗血症もしくは敗血症性ショックを適応としたCHDFの幕が上市された。AN69ST膜は治験において、サイトカイン吸着性能が認められ(Shiga et al.Blood Purif2014;38:211-8)、製造販売承認となった。ただShigeらの論文においてもAN69ST膜を用いて治療した敗血症患者34名での検討であり、CHDF実施群と非実施群の比較ではなく、また他のCHDF膜との比較でもなかった。本邦発の敗血症治療としてアピールしていくためにはさらに質の高いエビデンスは必須であり、他施設での研究が必要になると考え研究をデザインした。しかし世界的なCOVID-19のパンデミックにより、人の行き来が制限され、他施設での研究は困難となり、更に重症COVID-19患者の治療のため、その他の疾患の病床確保がままならない期間がおよそ3年ほど続いた。結果として当初の予定から大幅に遅れてしまう結果となってしまった。 ここ1-2年でだいぶ元の状況が戻ってきており、昨年度で本研究の科研費取得は終了となってしまうが、今後も引き続きデータ収集を行い、成果を報告していきたいと考えている。
|