2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cardiac variation of internal jugular vein for the evaluation of intravascular water volume
Project/Area Number |
19K18314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 謙介 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50466760)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波 / エコー / 循環動態 / 心拍出量 / 血管内脱水 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内水分量の評価は、救急医療において重要な臨床指標で、輸液必要量の判定に欠かせない。肺動脈カテーテルや経肺熱希釈法などが正確な手法とされているが、侵襲が大きくデバイスも必要で簡便には使用できない。これまでに下大静脈の呼吸性変動などの簡便な手法もいくつか報告されているが完璧な方法はなく、非侵襲的で簡便な血管内水分量の新たな評価手法を開発することには大きな意義がある。 我々は大静脈の心拍変動に注目し、体表に近く描出が容易な内頚静脈を超音波で評価することで、救急外来受診患者において輸液反応性予測の指標となるかどうかを検討した。2019年8月から2020年3月に日立総合病院の救急外来を受診し、救急医により初期輸液療法が必要と判断された患者を組み入れた。まず、輸液負荷前にバイタルサイン、超音波で内頚静脈の心拍変動と下大静脈の呼吸性変動、ClearSightでのstroke volume (SV), stroke volume variation(SVV)を評価した。次に、細胞外液500mLの負荷後にバイタルサイン、ClearSightでSVを再評価し、輸液によるSVの15%以上の増加で定義された輸液反応性を評価した。 148名の患者を対象とし、最終解析には105名が組み入れられた。内頚静脈の心拍変動は輸液反応性との関連はなかったが、SVとの相関を認めた。輸液反応性との関連を認めたのはであった。測定不能例は内頚静脈で2.2%、下大静脈で17.0%、ClearSightで22.2%と、内頚静脈は安定して測定可能であった。 内頸静脈の心拍変動は救急外来においても簡便・迅速かつ安定して評価可能な手法であり、SVとの関連を認める手法であった。今後は重症患者での有用性や、今回評価しなかった他の様々な血管内水分量評価手法との比較を行うことで、その意義を確立していきたい。
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