2019 Fiscal Year Research-status Report
心筋炎における微小炎症環境での動的ガレクチン3の役割の解明
Project/Area Number |
19K18316
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
館 正仁 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (70646504)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全や肺線維症など線維化を伴う疾患は、一旦完成した線維化を治療することはほぼ不可能である。つまり、線維化が起きる前に発見、治療、さらには予防するという早期介入が必須の疾患である。しかし、ガレクチン3のバイオマーカーとしての評価は一定していない。ガレクチン3の血中濃度が高いと心不全発症のリスクが高い(が、予後因子としての有効性は不明である。ガレクチン3の「炎症微小環境」での役割を調べるために、脳心筋炎マウスモデルで、炎症急性期~慢性期でのガレクチン3発現細胞を解析した。脳炎の脳病変では、ガレクチン3は炎症早期にミクログリア(脳での常在マクロファージ)1細胞から発現を示し、炎症の進行とともに発現細胞と発現量の増加を認め、正の相関があることを見出した。心筋炎では、心筋組織でのガレクチン3発現マクロファージが1細胞から出現し、その発現細胞の増加と血中濃度の上昇、線維増生の三者は正の相関を示した。また、ガレクチン3の血中濃度やガレクチン3陽性細胞の局在は、心不全マウスモデルにおいても、ミクロレベルの組織学的な線維化や虚血に相関していることを突き止めた。いろんなマウスモデルにて、ガレクチン3血中濃度は、炎症の病理組織像に時系列で、見事に相関し、ゆるやかな慢性炎症ではガレクチン3は発現せず、急性炎症早期にて発現することを明らかとした。また、現在、ガレクチン3レポーターマウスのコンストラクトを作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響で、研究の自粛、さらに個人的には病院診療業務に大部分の時間を使うこととなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
ガレクチン3発現細胞を可視化し、追跡するため、Gal3-DTR-GFP(緑色蛍光)マウスとGal3-DTR-RFP(赤色蛍光)マウスの2種類を作製をすみやかに行う。さらに、マウスの作製が遅れることも考慮にいれ、GFPマウスの骨髄を野生型マウスに移植し、心筋炎を起こすことで、ガレクチン3陽性組織球の由来が骨髄かどうか検証する。さらに、炎症辺縁部や線維化の強い部分を領域ごとに組織採取し、ガレクチン3陽性マクロファージをフローサイトメトリーで単離する。各領域3細胞程度をシングルセル解析する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Diffuse midline glioma in the spinal cord with rapid respiratory deterioration: A case report2020
Author(s)
Kamidani R, Okada H, Yasuda R, Yoshida T, Kasuzawa K, Ichihasi M, Kakino Y, Oiwa H, Kitagawa Y, Fukuta T, Suzuki K, Okamoto H , Miyake T, Tachi M, Kanada N, Iwai C, Shiba M, Yamada N, Nozawa S, Nakayama N, Doi T, Fushimi K, Yano H, Tomita H, Yoshida S, Iwama T, Ogura S.
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Journal Title
Acute Medicine & Surgery
Volume: 2020
Pages: e500
DOI
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[Journal Article] Human Colorectal Cancer Infrastructure Constructed by the Glycocalyx.2019
Author(s)
Tachi M, Okada H, Matsuhashi N, Takemura G, Suzuki K, Fukuda H, Niwa A, Tanaka T, Mori H, Hara A, Yoshida K, Ogura S, Tomita H
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Journal Title
J Clin Med
Volume: 8(9)
Pages: E1270
DOI
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