2021 Fiscal Year Research-status Report
敗血症時に亢進する血管透過性における個人差の原因となる遺伝子を同定する。
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19K18320
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬尾 英哉 京都大学, 医学研究科, 助教 (40782652)
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Project Period (FY) |
2020-03-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管透過性 / 敗血症 / 個人差 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症の致死率は依然高く、その重症化の病態解明は進んでいない。 我々は遺伝的背景に基づく敗血症時に亢進する血管透過性の個人差を制御している原因遺伝子の解明に取り組んでいる。 現在、死化HUVEC細胞を用いて敗血症モデル時の血管透過性を安定的に定量評価できる実験系の構築を試みている。本実験系樹立後は 複数ドナー由来のHUVECの透過性を測定し、高透過性群と低透過性群においてLPSもしくは炎症性サイトカイン添加時のmRNA発 現量をマイクロア レイにて比較し、血管透過性と相関がある候補遺伝子を絞り込む計画である。加えて小動物を用いたin vivo実験系を用いることで、実際の臨床に即した実験条件にて臨床に影響を与えうる、血管透過性亢進にか関わる遺伝子を同定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID19の影響で研究環境の変化および実験資材の供給が不安定となった。 さらにCOVID19患者の急増により、社会的要請で臨床業務の占める割合が増大したことが一因として挙げられる。 また、計画当初の評価系の樹立が当研究室では困難であることが予測されたため、実験計画の変更が必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は蛍光プレートリーダーを用いて血管透過性を定量評価する予定であったが、透過したタンパク量を定量することで透過性の定量化を目指す。 HUVECを用いて敗血症モデル時の評価系を樹立した後、血清フリー条件で半透過性膜上(TranswellR, CORNING)のHUVEC細胞にLipopolysaccharide(以下L PS) もしくは炎症性サイトカインを添加する。一定時間経過後アルブミンを細胞側に添加、半透膜を透過したアルブミンをWBにて定量すること で、血管透過性を評価する。 さらに、より臨床に近い条件(アウトブレッドマウスを用いたin vivo実験系)において、血管透過性の差異の要因となる遺伝子を検索することで外的に介入可能な血管透過性亢進メカニズムの解明を目指す。
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Causes of Carryover |
評価系の樹立に時間を要していることに加え、COVIDの影響で実験が遅れている。実験計画の変更が必要ではあったが、前年度は前々年度購入物品で実験が可能であったことから、研究費を次年度に持ち越した。
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