2023 Fiscal Year Annual Research Report
肺毛細血管内皮細胞障害に対する水素ガスの有効性の検討
Project/Area Number |
19K18325
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山田 太平 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00465684)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺毛細血管内皮細胞障害 / 水素ガス / 酸化ストレスシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
侵襲下の急性呼吸窮迫症候群(以下ARDS)は、両側肺水腫、低酸素症を特徴とする致死率の高い急性病態である。ARDSでは様々な炎症性メディエー ターが病態形成に関与するが、中でも活性酸素種(ROS)は肺毛細血管の拡張と血管透過性の亢進作用により肺水腫の形成に直接的な役割を演じるとされる。本研究では、ヒト肺毛細血管内皮細胞エンドトキシン血症モデルで、肺毛細血管内皮細胞の活性酸素種発現と血管透過性亢進の関連を検討する事で酸化ストレスシグナルの役割を解明し、その発現を水素ガスにより抑制出来るかどうか検討する。ARDSの病態解明の突破口となり、新たな治療戦略や革新的医薬品開発に繋がるプロジェクトである。ヒト肺胞血管内皮細胞の培養細胞であるHMVEC-Lを用い、エンドトキシン刺激による酸化ストレス誘導を行った。水素(7 ppm)含有培地と非含有培地を用い、培養液中の水素が酸化ストレスに及ぼす影響を確認したところ、水素含有培地ではエンドトキシンにより亢進された血管透過性が改善する傾向があり、酸化ストレスは水素により有意に減少することが明らかとなった。本研究の成果は水素含有培地が感染性の酸化ストレスを抑制する可能性を示唆すると考えている。
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